• 2024/10/10 掲載

米財政赤字とインフレ的通商政策が国債の重圧になる恐れ=PIMCO

ロイター

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Davide Barbuscia

[ニューヨーク 9日 ロイター] - 米国債にとって目先は金融緩和が追い風になるが、11月5日の大統領選後に財政赤字が膨らみ、インフレ的な通商政策が打ち出されれば、重圧が加わりかねない――。米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)は9日公表した報告書でそんな見方を示した。

PIMCOは、米経済のソフトランディング(軟着陸)に向けた軌道はなお強固で、景気減が予想以上に減速しても、米連邦準備理事会(FRB)がより大幅な利下げに動けば、債券には好材料になるとみている。

金利低下で恩恵を受ける期間5年などの中期債を選好するのがPIMCOの方針。ただ長期債の先行きは財政運営と通商政策次第でマイナスの影響を受ける恐れがあるという。

PIMCOのマネジングディレクター兼エコノミストのティファニー・ウィルディング氏とグローバル債券最高投資責任者のアンドルー・ボールズ氏は「大幅な財政赤字は相当な期間にわたって長期債利回りを押し上げてもおかしくない」と記した。

大統領選後の情勢についてPIMCOは、民主党候補ハリス副大統領と共和党候補トランプ前大統領のどちらが勝っても財政赤字が最大の問題になると予想し、高水準の政府債務が米国債のイールドカーブをスティープ化して短期債よりも長期債の値動きが低調になると説明した。

通商政策では、民主党候補のハリス副大統領が勝利すればバイデン政権のより的を絞ったアプローチを継続する公算が大きいが、民主党候補のトランプ前大統領が返り咲けば世界に混乱を巻き起こす可能性が大きくなると指摘。金融政策担当者が、輸入関税引き上げコストが消費者に転嫁されることによる短期的なインフレの上振れに留意する必要が出てくると警告した。

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