[１６日 ロイター] - 米金融大手ゴールドマン・サックスが１６日発表した２０２４年第４・四半期の鉄鉱石価格予想は１トン当たり８５ドルと、従来見通しから１５ドル引き下げた。世界最大の鉄鉱石消費国である中国の需要は安定化してきたものの、供給過剰が価格を押し下げるとの見方を示した。

中国の景気回復が停滞している一方、景気刺激策への期待と鉄鋼需要が回復するとの見通しから市場心理が上向いたため、先週の鉄鉱石の先物価格は上昇した。

ゴールドマンのアナリストは投資家向けのメモで「大型連休前の今後２週間の在庫補充が価格を下支えする可能性があるものの、鉄鉱石在庫の継続的な増加によって１０月には価格が再び下落する可能性がある」と指摘した。

鉄鉱石は中国の工業部門、特に鉄鋼生産の原動力となっている。

ゴールドマンは、鉄鋼輸出が減る可能性が高いことが中国の来年の鉄鋼生産に大きなリスクをもたらすとの見方を維持。「国内需要が一段と下支えする可能性は低いとみている」のを踏まえると、中国の鉄鉱石需要はさらに減少する可能性があると言及した。