- 2024/09/17 掲載
政策金利の引き下げ余地確保を提言=国際決済銀
BISの金融・経済部門の責任者、クラウディオ・ボリオ氏は記者団に、予想される景気減速と予期せぬ将来の危機のいずれにも対処できるよう、全ての中銀に対してある程度の金利の引き下げ余地を持っておく必要があると強調した。
ボリオ氏は「予想されるのは景気後退だ。新型コロナウイルス禍のように予期しないショックもある。(利下げの)ペースやどこまで踏み込むかを決定する際のもう一つの考慮事項になる」と指摘した。米連邦準備理事会(FRB)は今週利下げサイクルに入るとみられており、市場には利下げ幅が0.25%になるか0.5%になるかに関心が集まっている。
報告では、8月に起きた米大型ハイテク株と、それに伴う世界的な株価の急落、日銀が利上げに踏み切った後の円キャリートレードの巻き戻しの動きに関しても分析した。円キャリートレードは低い金利で円を借り入れ、より高い利回りが見込まれる他の通貨や資産に投資するもので、数十年にわたって市場を下支えしてきた。
キャリートレードの巻き戻しによってどの程度市場の不安定化につながるかについては、現時点では十分な情報がない。BISの調査部門を率いるシン・ヒョンソン氏は「取引の方向性に関する有益なデータを入手し、その取引の経済的目的を把握することに取り組まなければならない」と言及した。
BISはこのほか、プライベートエクイティ(PE)が提供するオフショア再保険(保険会社向け保険)を生命保険会社が使用されることによる金融安定性への懸念も指摘した。
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