- 2024/08/15 掲載
米菓子大手マースがケラノバを360億ドルで買収 今年米M&Aで最大規模
[ニューヨーク 14日 ロイター] - 菓子大手の米マースは14日、同業ケラノバを全額現金の約360億ドルで買収すると発表した。今年の米企業のM&Aとしては最大の規模となる。
物価高に伴う消費減退や安価なプライベートブランドとの競争に直面している米加工食品業界は、こうした逆風を乗り切る上で「規模の利益」を追求しようと再編の動きが活発化している。
「M&M‘s」や「スニッカーズ」などのチョコレート菓子が主力のマースは、「プリングルズ」などを手がけるケラノバを傘下に置くことで、スナック菓子の品ぞろえを拡充できる。
マースのポール・バイハラウッホ最高経営責任者(CEO)はロイターのインタビューで、販売価格は据え置き、このディールの費用を消費者に転嫁することはないと明言。「われわれは大きく、より強い企業になっている。事業構造の中でより多くのコストを吸収し、インフレ環境で抱える諸問題の緩和に寄与すると期待したい」と語った。
1株当たりの買収額は83.50ドル。ロイターがマースによるケラノバ買収検討を伝える前の8月2日終値に比べておよそ33%のプレミアムを乗せた。
今回の案件は米加工食品業界として過去最大級の規模だが重複する事業が限定的なので、法律専門家によると、反トラスト法(独占禁止法)の面でハードルはそれほど高くないとみられている。
一方投資家の間では、爆発的に販売が伸びている肥満症治療薬が食欲を抑える効果を持つ点から、菓子需要の鈍化につながるのではないかとの懸念が聞かれる。
マースは今後スナック菓子事業を強化し、より健康的な商品の投入などを通じて「魅力的で息の長い」分野にしていく計画だ。
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