認証不正の発覚で一部車種の生産停止に追い込まれたトヨタ自動車の株主総会。再発防止を誓った豊田章男会長や佐藤恒治社長らが取締役再任に支持を取り付けたとはいえ、一部の株主は経営陣と生産現場の「距離」に苦言を呈した。

「現場に密着したコミュニケーションがないと再発する恐れがあるのではないか」。愛知県豊田市に住む元トヨタ従業員の８０代男性は総会出席後、古巣の立て直しに不安の声を漏らした。豊田会長自身も不正発覚後の記者会見で「現場の情報が少し遠くなっている」と認めていた。同県岡崎市の５０代男性は「起こったことは仕方ないが、会社としてそれなりの対応をしないといけない」と声を上げた。

【時事通信社】