ＮＴＴドコモの前田義晃社長は１８日の就任記者会見で、出遅れが指摘される金融事業について、銀行の機能は「必要なピースだ」と語った。その上で、既存の銀行との連携や合併・買収、新規設立などの選択肢を念頭に、てこ入れに向けて「さまざまな検討を進めている」と説明した。

ドコモは、他の携帯電話大手のように傘下に銀行を保有せず、三菱ＵＦＪ銀行との提携で、取引に応じてｄポイントがたまる口座サービスを提供している。金融事業の強化を急ぐ中、証券分野では１月にマネックス証券を連結子会社化した。

主力の携帯電話事業は、シェア拡大が「非通信分野での売り上げを積み重ねる意味でも重要だ」と説明。低価格プラン「ｉｒｕｍｏ（イルモ）」で攻勢をかける考えだ。都市部で低下していると昨年指摘された通信品質は「集中対策でネガティブな声は減ったが、もっと強化しなければならない」と話した。

【時事通信社】 〔写真説明〕就任の記者会見をするＮＴＴドコモの前田義晃社長＝１８日午後、東京都千代田区