- 2024/04/04 掲載
FRB議長、早期利下げになお慎重 インフレ鈍化「確信高める必要」
[スタンフォード(米カリフォルニア州) 3日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を含む高官らは3日、利下げを開始する前にさらなる議論と経済指標の点検が必要との認識を改めて表明した。
パウエル氏はスタンフォード大学ビジネススクールで講演し「このところの雇用とインフレの指標はいずれも予想を上回っている」と指摘。当局者は年内の利下げが適切という見解でおおむね一致しているが、インフレ率がFRBの目標である2%に向け「持続的に低下しているとの確信が高まった」場合にのみ、利下げが実現すると語った。
アトランタ地区連銀のボスティック総裁はCNBCとのインタビューで利下げについて、第4・四半期に開始するのが適切との見解を示した。
同氏は年内に0.25%ポイントの利下げ1回を見込んでおり、米連邦公開市場委員会(FOMC)の大半のメンバーが想定している3回以上よりも少ない。
ボスティック氏はインフレ動向がかなりでこぼこになってきたと指摘。「経済が予想通りに進展し、国内総生産(GDP)と雇用が引き続き堅調に推移し、年間を通じてインフレが緩やかに低下するのであれば、年末や第4・四半期に利下げを開始するのが適切だと思う」とした。
クーグラーFRB理事もまた、このところインフレが「でこぼこ」の動きになっていると、ワシントン大学での講演で言及。ただ、ディスインフレ傾向が継続し、年内利下げへの道を開くとの見通しを示した。
「ディスインフレと労働市場の状況が期待通りに進むなら、今年中に政策金利を引き下げることが適切だろう」と語った。利下げ時期や幅の予想は示さなかった。
<年内利下げの見方維持>
パウエル氏は「今年のある時点」で政策金利を引き下げるという基本的な見通しを堅持。「堅調な成長率、強くも再び均衡しつつある労働市場、時にでこぼこの道をたどりながら2%に向け低下するインフレ率という全体像」が、最近の指標で大きく変わることはなかったとした。
その上で「経済の力強さとインフレを巡るこれまでの進展を踏まえると、今後発表されるデータに基づいて政策決定を行っていく時間がある」とし、決定は「会合ごとに行われる」と述べた。
クーグラー理事は「1月と2月のインフレデータはやや強かった」としながらも、変則的要因があったため、インフレ低下ペースが鈍化したかの判断を保留する必要があるかもしれないとした。
供給改善という要因でインフレが低下する「余地がまだある」とみており「特にサービス部門では、労働供給の確実な伸びにより賃金とインフレ圧力が緩和し続けるだろう」と予想した。
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