- 2024/04/03 掲載
ドイツCPI、3月は前年比2.3%上昇に鈍化 21年6月以来の低水準
[ベルリン 2日 ロイター] - ドイツ連邦統計庁が2日発表した3月の消費者物価指数(CPI)速報値は欧州連合(EU)基準(HICP)で前年同月比2.3%上昇と、伸び率は2月の2.7%から鈍化し、2021年6月以来の低水準となった。エネルギー価格が下落した。
パンテオン・マクロエコノミクスのユーロ圏チーフエコノミスト、クラウス・ビステセン氏は「ドイツ、フランス、イタリア、スペインのデータから得られる総合的なメッセージは、今週発表されるユーロ圏の総合インフレ率がコンセンサスを大幅に下回るということだ」と述べた。
ロイターのエコノミスト調査によると、3月のユーロ圏インフレ率は前月から変わらず2.6%上昇になると予想されている。
コメルツ銀行のシニアエコノミスト、ラルフ・ソルベン氏は「ドイツの3月CPIの数値は一見すると、金融政策を早期に緩和する必要があることを示唆している」と指摘。ただ、詳細を見ると注意が必要とし、「変動の激しいエネルギーと食品の価格を除けば、インフレはほとんど鈍化していない」とした。
ドイツの3月の変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は3.3%上昇。前月は3.4%上昇だった。
エネルギー価格が前年同月比2.7%下落した。また、食品価格も2015年2月以降で初めて前年同月比で下落した。
ソルベン氏は「これはコアインフレ率が今後数カ月間にわたり欧州中央銀行(ECB)の目標である2%を大きく上回って安定するとのわれわれの予想を裏付けるものだ」とした。
ただ、INGのマクロ経済グローバル責任者、カーステン・ブルゼスキ氏は、ドイツの総合インフレ率は来月にも2%に低下する可能性があると予想。パンテオン・マクロエコノミクスのユーロ圏首席エコノミスト、クラウス・ビステセン氏は「ドイツ、フランス、イタリア、スペインの指標を踏まえると、週内に発表されるユーロ圏総合インフレ率は予想を大幅に下回る可能性がある」と述べた。
欧州連合(EU)統計局は3日に3月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)を発表。市場では2.6%と、前月から横ばいになると予想されている。
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