- 2024/03/19 掲載
日経平均は続伸、4万円で高値引け 日銀会合通過で安心感
[東京 19日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は、前営業日比263円16銭高の4万0003円60銭と、続伸して取引を終えた。朝方は前日に1000円超高となった反動で下落したが、後場は日銀の金融政策決定会合の結果公表を受けてプラス圏に転換した。日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決めたものの、事前報道通りの結果となり、市場は円安・株高で反応、日経平均は高値引けとなった。
日経平均は117円安でスタートし、一時332円安の3万9407円50銭で安値をつけた。後場に日銀の金融政策決定会合の結果が発表された後は、マイナス圏とプラス圏を行き来する荒い値動きが継続したが、後場中盤ではプラス圏でしっかりとした動きとなった。あすは国内は祝日に伴い休場、米国では連邦公開市場委員会(FOMC)が開催されるため、日経平均は上値が重くなる場面もみられたが、大引けでは心理的節目の4万円を回復した。
日銀は18―19日の金融政策決定会合で、大規模金融緩和策の修正を賛成多数で決めた。物価2%目標の持続的・安定的な実現が見通せる状況に至ったと判断、マイナス金利を解除して無担保コール翌日物金利をゼロー0.1%程度で推移するように促す方針に変更した。イールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)の枠組みを撤廃するほか、上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)の新規の買い入れも終了する。一方で、市場で不連続性が生じないように国債買い入れは継続するとした。
日銀のマイナス金利解除後は、連続利上げによる円高・株安が市場の一部で警戒されていたが、会合結果では緩和的政策を継続するとの見通しが示され、安心感が広がった。ドル/円は一段高となり、1週間半ぶりに150円台へ乗せた。業種別では円安で収益改善が見込まれるとされている自動車株などの輸出関連株が上げ幅を拡大した。
ソニーフィナンシャルグループの渡辺浩志シニアエコノミストは「賃金と物価の好循環は見通せる段階にはなったものの、実現が確認できたわけではない。マイナス金利という異例の金融政策からは脱却したが、緩和的な金融環境はこれからも続くとされている」との見方を示した。日本株は引き続き米国株や米金融政策の動向を受けた動きとなりやすいという。
TOPIX(東証株価指数)は4日続伸し1.06%高の2750.97ポイントで取引を終えた。東証プライム市場指数は前営業日比1.06%高の1415.79ポイント。プライム市場の売買代金は5兆2007億9700万円だった。
主力株では、トヨタ自動車、デンソーが3%超高となったほか、東京エレクトロン、レーザーテックもしっかり。住友不動産は8%超高となった。半面、ファーストリテイリング、アドバンテストはさえなかった。
東証33業種では、値上がりは不動産、鉱業、輸送用機器、ゴム製品、その他金融など30業種で、値下がりは海運、医薬品、銀行など3業種だった。
新興株式市場は、東証グロース市場250指数が0.76%高の746.07ポイントと、続伸した。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1250銘柄(75%)、値下がりは366銘柄(22%)、変わらずは40銘柄(2%)だった。
終値 前日比 寄り付き 安値/高値
日経平均 40003.60 +263.16 39622.58 39,407.50─40,003.60
TOPIX 2750.97 +28.98 2718.04 2,713.69─2,750.97
プライム市場指数 1415.79 +14.91 1399.68 1,396.71─1,415.79
スタンダード市場指数 1277.04 +7.06 1270.07 1,268.57─1,277.04
グロース市場指数 938.29 +7.10 929.69 928.63─939.27
グロース250指数 746.07 +5.62 739.09 737.72─747.27
東証出来高(万株) 193254 東証売買代金(億円) 52007.97
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