- 2024/03/12 掲載
NY市場サマリー(11日)円対ドルで上昇、利回り上昇 S&P・ナスダック下落
円の上昇は4営業日連続。この日は暗号資産(仮想通貨)のビットコインが7万2000ドルを超えて過去最高値を更新したが、市場の注目はドル/円相場と日銀の決定会合に集まっている。
終盤の取引でドル/円は0.1%安の146.94円。
13日に春闘の集中回答日を迎える中、多くの大手企業の賃上げが予想されており、関係筋はロイターに対し、18─19日の会合でマイナス金利政策を解除する方向に傾いている日銀政策委員の数が増えていると明らかにしている。
また、内閣府が11日公表した2023年10─12月期実質国内総生産(GDP)2次速報は前期比0.1%増となり、1次速報の同0.1%減から一転プラスに転換。年率では1次速報のマイナス0.4%からプラス0.4%に上方修正された。
クラリティFX(サンフランシスコ)のエグゼクティブ・ディレクター、アモ・サホタ氏は「日銀がマイナス金利政策の解除に動くのは、これまでは長らく4月の会合と考えられていたのが、3月に前倒しされた」と指摘。「個人的には4月を望んでいる。これまでずっと動きが鈍かったため、突然急ぐ必要はあるのだろうか。GDPの改定があったものの、日本が爆発的な成長と物価上昇を遂げようとしていることを示すものは何もない。もう少し待つ余地はあると思う」と述べた。
終盤の取引で主要6通貨に対するドル指数は0.2%高の102.85。
市場では、米連邦準備理事会(FRB)は6月に利下げに着手する公算が大きいとの見方が大勢。FRBの金融政策の行方を見極めようと、12日発表される2月の消費者物価指数(CPI)が注目されている。
ユーロ/ドルは0.1%安の1.0924ドル。
英ポンド/ドルは1.1%安の1.2807ドル。
ビットコインは5.3%高の7万2033ドル。一時7万2739ドルまで上昇し、過去最高値を更新した。
<債券> 米債利回りが上昇した。最新のインフレ統計など一連の経済指標の発表を控える中、国債や社債の入札を受けた。
指標10年債利回りは4.096%と小幅に上昇。5営業日ぶりに上昇に転じた。30年債利回りは4.261%でほぼ横ばい。
2年債利回りは4.8ベーシスポイント(bp)上昇の4.535%と5営業日ぶりに上昇した。
BTIGのグローバル金利トレーディング共同責任者、トム・ディガロマ氏は「通常、月曜日は入札が非常に多い日だ。それが一因で欧米双方の利回りが上昇している」と述べた。
2・10年債の利回り格差はマイナス42.2bp。先週末はマイナス40.3bpだった。
市場ではFRBによる金利政策のスタンスを探る上で今週発表される米経済指標が注目されている。
CMEのフェドウオッチによると、来週の3月連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きが決定される確率は97%。一方、6月利下げの確率は70.2%となっている。
12日発表予定の2月のCPIが注目されている。
米財務省は11日、560億ドルの3年債入札を実施。最高落札利回りは4.256%と、入札締め切り時の市場予想利回りを下回った。応札倍率は2.60倍と2月時の2.58倍を上回ったものの、平均の2.70倍を下回った。
<株式> S&P総合500種とナスダック総合が小幅下落して取引を終えた。投資家は今後数カ月の利下げ見通しに関するさらなる手掛かりを得ようと今週発表される米CPIと米卸売物価指数(PPI)に注目している。
ブティジェッジ運輸長官は11日、アラスカ航空が運航するボーイングの737MAX機で機体の一部が吹き飛んだ1月の事故を巡り、ボーイングが司法省と運輸安全委員会(NTSB)の調査に協力することを期待すると述べた。これを受け、ボーイングの株価は3%下落した。
S&P主要セクターでは工業の下げが目立った。ダウ工業株30種は小幅に上昇した。
2月のCPIは12日、PPIは14日に発表される。
インガルス・アンド・スナイダーのシニアポートフォリオストラテジスト、ティム・グリスキー氏は「これらのデータは変動が大きくなる傾向があり、市場はそれに応じて動くだろう」と語った。
先月は堅調な経済状況を示す指標を受けて利下げ開始時期の予想が3月から6月に後ずれし、株式市場の上昇が失速した。
この日も半導体株の売りが続き、エヌビディアは2%安、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(AMD)は4.3%安、ブロードコムは1.2%安となった。
天然ガス採掘会社エクイトランス・ミッドストリームは1.5%上昇。元親会社のEQTが同社を買収すると発表した。EQTは7.8%急落した。
<金先物> 米消費者物価指数(CPI)の発表を控え様子見気分が広がる中、買いが先行し、8営業日続伸した。中心限月4月物の清算値(終値に相当)は前週末比3.10ドル (0.14%)高の1オンス=2188.60ドルと、中心限月の清算値ベースで7営業 日連続で史上最高値を更新した。
<米原油先物> 取引材料難の中を方向感なく推移し、小幅ながら3営業日続落した。米国産標準油種WTIの中心限月4月物の清算値(終値に相当)は、前週末比0.08ドル(0.10%)安の1バレル=77.93ドル。5月物は0.03ドル高の77.53ドル。
ドル/円 NY終値 146.94/146.95
始値 146.66
高値 147.15
安値 146.63
ユーロ/ドル NY終値 1.0926/1.0927
始値 1.0939
高値 1.0943
安値 1.0915
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 99*25.50 4.2619%
前営業日終値 99*25.50 4.2620%
10年債(指標銘柄) 17時05分 99*06.50 4.0982%
前営業日終値 99*09.00 4.0880%
5年債(指標銘柄) 17時05分 100*23.00 4.0883%
前営業日終値 100*26.75 4.0620%
2年債(指標銘柄) 17時05分 100*05.13 4.5381%
前営業日終値 100*08.25 4.4860%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 38769.66 +46.97 +0.12
前営業日終値 38722.69
ナスダック総合 16019.27 -65.84 -0.41
前営業日終値 16085.11
S&P総合500種 5117.94 -5.75 -0.11
前営業日終値 5123.69
COMEX金 4月限 2188.6 +3.1
前営業日終値 2185.5
COMEX銀 5月限 2471.5 +16.6
前営業日終値 2454.9
北海ブレント 5月限 82.21 +0.13
前営業日終値 82.08
米WTI先物 4月限 77.93 ‐0.08
前営業日終値 78.01
CRB商品指数 277.9849 +1.3866
前営業日終値 276.5983
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