- 2024/03/12 掲載
昨年以上の賃上げモメンタム、日銀は遠くない将来に正常化=経団連会長
Kentaro Sugiyama
[東京 11日 ロイター] - 経団連の十倉雅和会長は11日の定例会見で、今年の春季労使交渉(春闘)について「昨年以上の賃上げのモメンタムを感じる」と述べ、「日銀がそう遠くない将来に金融正常化にかじを切る可能性が高い」との見方を示した。その上で、各企業が金融正常化に向けて準備を進めているとの認識を示した。
十倉会長は、「賃金と物価の好循環」がスタートすることと、モデレートな物価上昇になることの2点を日銀は重視していると指摘。物価上昇については2%程度が実現できる見込みが高まってきている、賃上げの水準については「昨年以上になると期待している」と語った。
今週は13日に春闘の集中回答日を迎え、15日に連合が1次集計結果を発表する。市場では、これらの結果が良好だった場合、日銀が3月会合でマイナス金利政策の解除に動くとの観測が浮上している。十倉会長はそう遠くない将来の金融正常化を予想したものの、3月かどうかは「分からない」と語った。
市場で日銀の金融正常化に対する織り込みが進んだことも一因となり、このところドル/円は円高方向に触れ、11日の東京株式市場では日経平均株価は大幅に下落した。十倉会長は、30年続いたデフレマインドが移行する局面を迎える中で「若干のギクシャクはある」としつつ、中長期的にみて金融緩和というカンフル剤を打ち続けていくのは日本経済にとって健全ではないとの認識を示した。
連合が7日公表した24年春闘の要求集計(4日時点)によると、「平均賃金方式」で賃金引き上げを要求した傘下の3102組合の賃上げ率は加重平均で5.85%と、前年の要求集計の4.49%を上回った。1994年春闘の最終回答集計(5.40%)以来、30年ぶりに5%を上回った。
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