- 2024/02/26 掲載
株価高値更新に34年、米株14倍=停滞日本、企業も地位低下
日経平均株価が1989年に付けた史上最高値を約34年ぶりに更新して推移している。久しぶりに株ブームに沸く日本だが、この間の米国株を見ると、ダウ工業株30種平均が14倍超に伸びるなど飛躍的な成長を遂げた。一方、日本は不良債権処理とデフレに苦しんだ「失われた30年」で企業の世界的地位が急速に低下し、米国に大きく差をつけられた。
89年末に2753ドルだったダウ30種平均の先週末の終値は3万9131ドル。日本株が低迷する間に、アップルやマイクロソフトといった巨大IT企業が躍進するなど新陳代謝が進み、最高値更新を続けてきた。
みずほ証券の小林俊介チーフエコノミストは「企業の利益成長の原資となる名目GDP(国内総生産)の伸びが日米で大きく違った」と指摘する。デフレ経済でほぼゼロ成長だった日本に対し、米国は3%を超える成長を続けてきたため、株価の上昇度合いが異なる結果になったとみている。
企業の時価総額にも大きな差がついた。89年の世界ランキングでは、NTTを筆頭に日本企業が上位に並ぶが、2024年はトップ10のうち米国企業が9社を占める。日本企業はトヨタ自動車の24位が最上位と地盤沈下が目立つ。
マネックス証券の広木隆チーフ・ストラテジストは「米国の覇権はしばらく続く。日本で割って入るようなとんでもない企業が出るとは思えない」と話す。89年は日本がバブル絶頂期で、時価総額が過大に膨らんだ面もあった。
三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩チーフマーケットストラテジストは、エヌビディアなど米国の半導体企業に技術や素材を提供する役回りとして、日本企業は「ある程度の価値を維持できる」と分析する。かつてのような栄光を取り戻すことは難しいものの、今後もある程度の成長は期待できるとの見方を示した。
【時事通信社】 〔写真説明〕米ウォール街のニューヨーク証券取引所=ニューヨーク(AFP時事)
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