- 2023/08/31 掲載
東証の改革要請、開示企業はプライムの3割 「一定の効果」の見方
3月期決算企業のコーポレートガバナンス(CG)報告書が出揃った7月中旬時点で、3月決算企業を対象に集計した。3月決算以外の企業では、プライム市場で20社、スタンダード市場で28社が開示した。今回の要請では、開示している旨やその閲覧方法をCG報告書に記載するよう求めている。
東証は「既に一定数の企業で対応が進められ、国内外の投資者からも企業の変化について概ねポジティブな評価」があったと、これまでの状況をまとめている。ニッセイ基礎研究所の井出真吾チーフ株式ストラテジストは「東証も短期間での開示を求めておらず、一定の効果はあったとみていいだろう」とみる。
PBRが高い企業や時価総額が小さい企業では、相対的に開?が進んでいない。時価総額が1000億円以上でPBRが1倍未満の企業でも過半数が開示しておらず、井出氏は「まだ十分ではなく、企業への継続的な働きかけが重要。東証が取りまとめて公表することは企業に取り組みを促す効果がある」と指摘している。中間決算や年度末といった節目ごとに、改善がどの程度みられるかが意識され、海外投資家の日本株への見方を左右しそうだという。
業種別では、平均PBRの低い業種の開示が進展しており、銀行では約7割が開示した。一方、平均PBRが高い情報・通信、サービス、小売などでは、相対的に開示が進んでいない。東証は、PBRが高い企業に対し、中長期的な企業価値向上の実現に向けた取り組みであり、PBR水準に係わらず全てのプライム市場・スタンダード市場の上場会社に対応を要請していることを、改めて周知するなどとしている。
同要請では、計画策定・開示の前提として十分な現状分析や検討が求められるとして、開示時期の具体的な期限を定めていない。
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