- 2023/05/27 掲載
NY市場サマリー(26日)ドル3週連騰へ、株価大幅高 2年債利回り上昇
当局者によると、債務上限を巡るバイデン大統領と共和党のマッカーシー下院議長の協議は、債務上限を2年引き上げる一方で、大方の支出を抑制する案で合意に近づいている。ただ、主要な問題での溝は埋まっていないもようで、合意に達するかどうかは依然不透明感が漂う。
終盤の取引で、主要通貨に対するドル指数は0.038%安の104.17。
朝方発表された4月の米個人消費支出(PCE)価格指数は、伸びが前月比、前年比ともに加速し、6月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げ見送り観測が後退した。
同指標発表後、ドル/円は6カ月ぶり高値を更新。終盤の取引では140.60円近辺で推移した。
ユーロ/ドルは0.11%高の1.0731ドル。欧州中央銀行(ECB)当局者によるユーロ圏インフレ動向に関する見解はまちまちとなっている。レーンECB専務理事兼主任エコノミストは26日、エネルギー価格の下落によりユーロ圏のコアインフレ率は低下するとの見通しを示した。また急速な賃金上昇は物価に過度な圧力をかけていないと述べた。
ポンドは0.26%高の1.2352ドル。英国立統計局(ONS)が発表した4月の小売売上高(数量ベース)は前月比0.5%増と、予想以上に増加した。
<債券> 2年国債利回りが上昇した。この日発表された4月の個人消費支出(PCE)価格指数は前月比、前年比ともに伸びが加速し、インフレ圧力が根強いことを示したため、米連邦準備理事会(FRB)が6月か7月に追加利上げを行うとの観測が浮上した。
2年債利回りは5.2ベーシスポイント(bp)上昇し4.562%となった。
CMEグループのフェドウオッチ・ツールによると、市場は6月米連邦公開市場委員会(FOMC)時にFRBが利上げを行う確率を65.4%織り込んだ。24日の36.4%から急上昇した。
フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は12月13日まで5%以上を維持するとみられている。指標発表以前は11月1日までとみられていた。
指標となる10年債利回りは0.70bp低下して3.808%。2年債と10年債の利回り格差はマイナス75.6bpとなった。
30年債利回りは3.7bp低下し3.967%となった。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で期待インフレを示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、10年物が2.255%だった。
29日はメモリアルデーの祝日のため、債券市場は午後2時までの短縮取引となった。
<株式> 大幅上昇して取引を終えた。連邦債務上限引き上げに向けた協議が進展しているとの見方が背景。半導体銘柄は2日連続で急騰した。
米共和党のマッカーシー下院議長は26日、25日夜に行われた債務上限を巡る協議で進展があったと明らかにした。
29日は米国株式市場は祝日で休場となるため、投資家は債務上限交渉の行方を注視していた。
フィラデルフィア半導体指数(SOX指数)は6.3%急騰した。2営業日で13%上昇している。米半導体メーカーのマーベル・テクノロジー・グループが32%上昇。人工知能(AI)に関連する年間売上高が倍増するとの見通しを示したことを受けた。
米半導体大手エヌビディアは2.5%上昇。25日に公表した業績見通しを好感した。
S&P500の11業種のうち、8業種が上昇した。情報技術が2.68%上昇、一般消費財が2.38%上昇した。
週間では、S&P総合500種は0.3%上昇、ダウ工業株30種は1.0%下落、ナスダック総合は2.5%急騰した。
フォード・モーターは6.2%上昇、電気自動車(EV)大手テスラは4.7%上昇した。
<金先物> 米追加利上げを巡る思惑から売りが先行したものの、あと買い戻され、小幅ながら5営業日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.60ドル(0.03%)高の1オンス=1944.30ドル。一方、週間では37.30ドル(1.88%)安と、マイナスでの越週は3週連続となった。
米商務省が朝方発表した4月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比4.4%上昇(前月4.2%上昇)と、伸び率は3カ月ぶりに加速。コアPCEの伸びは前年同月比、前月比ともに市場予想を小幅に上回った。米連邦準備制度理事会(FRB)が6月の連邦公開市場委員会(FOMC)で追加利上げを行い、高金利が長期化するとの観測が台頭。利子の付かない資産である金の売りを促し、相場は一時1930ドル台に下落。ドル高・ユーロ安の進行もドル建ての金の重しとなった。 ただ、売り一巡後は下げ幅を一掃し、小幅ながらプラス圏に浮上。米メモリアルデー(戦没者追悼の日、29日)に伴う3連休を控え、安値拾いやポジション調整の動きによる買い戻しが入った。
<米原油先物> 米債務上限問題に対する楽観的な見方が広がり、反発した。米国産標準油種WTIの中心限月7月物の清算値(終値に相当)は前日比0.84ドル(1.17%)高の1バレル=72.67ドルだった。8月物は0.83ドル高の72.76ドル。
債務上限問題を巡る政権と野党共和党の協議協議が合意に近づいているとの見方が強まり、投資家らのリスク回避姿勢が幾分後退。米株式相場が上昇し、株式と並ぶリスク資産の原油も買いが優勢となった。
季節的な旅行需要に伴い、米国内のガソリンやジェット燃料などのエネルギー需要が上向くとの見通しも相場の支援材料。全米自動車協会(AAA)は、27━29日のメモリアルデー(戦没将兵追悼記念日)の連休に自動車旅行が2000年以降で3番目の活況となり、国内空港は05年以来の混雑になるとの見通しを示した。
ドル/円 NY終値 140.62/140.65
始値 139.71
高値 140.72
安値 139.68
ユーロ/ドル NY終値 1.0724/1.0726
始値 1.0742
高値 1.0758
安値 1.0702
米東部時間
30年債(指標銘柄) 14時30分 94*00.00 3.9691%
前営業日終値 93*13.50 4.0040%
10年債(指標銘柄) 14時30分 96*13.50 3.8100%
前営業日終値 96*12.00 3.8150%
5年債(指標銘柄) 14時30分 98*19.00 3.9376%
前営業日終値 98*24.75 3.8970%
2年債(指標銘柄) 14時30分 99*12.75 4.5682%
前営業日終値 99*16.25 4.5100%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33093.34 +328.69 +1.00
前営業日終値 32764.65
ナスダック総合 12975.69 +277.59 +2.19
前営業日終値 12698.09
S&P総合500種 4205.45 +54.17 +1.30
前営業日終値 4151.28
COMEX金 6月限 1944.3 +0.6
前営業日終値 1943.7
COMEX銀 7月限 2336.0 +45.0
前営業日終値 2291.0
北海ブレント 7月限 76.95 +0.69
前営業日終値 76.26
米WTI先物 7月限 72.67 +0.84
前営業日終値 71.83
CRB商品指数 260.7035 +2.2117
前営業日終値 258.4918
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