- 2023/05/26 掲載
米債務上限問題・為替を注視、少子化財源は検討中=鈴木財務相
[東京 26日 ロイター] - 鈴木俊一財務相は26日の閣議後会見で、米債務上限問題や円安が進行している為替市場について注視する姿勢を示した。少子化対策の財源については検討中と述べるにとどめた。
為替市場では米国の利上げ継続観測などによる日米金利差拡大観測を背景に1ドル140円台を付けるなど円安傾向が強まっている。鈴木財務相は「為替は市場でファンダメンタルズ(経済の基礎的条件)に基づき決まる」と原則論を述べた上で、「為替市場については、ずっとウォッチングしているが、(改めて)しっかり見ていく」と強調した。
6月1日とされる期限が迫り緊迫する米国の債務上限問題については「米国債がデフォルト(債務不履行)となれば世界経済に大きな影響があるとの見通しが様々に指摘されているが、具体的に答えるのは控える」とし、「債務上限をめぐる議論の動向を注視したい」と述べた。
政府が策定中の骨太の方針の柱である少子化対策の財源に関し「安定財源については現在検討中」と述べるにとどめた。社会保険料の引き上げについては、岸田文雄首相の発言を引用し、新たな税負担を求めないが、企業・社会の参加者全体が公平な立場で広く負担する方向で検討していると述べた。児童手当を拡充する場合に扶養控除に変更があるかについても「決まっていない」とした。
<昨年末対外純資産419兆円、32年連続世界最大>
鈴木財務相は会見の冒頭、2022年末の対外純資産残高は前年比0.7兆円増の419兆円となり、32年連続で世界最大の純資産となったと公表した。
また経済危機にあるスリランカのウィクラマシンハ大統領と25日会談し、債務再編にあたり透明性や公平性の確保が不可欠であることなどを伝えたと述べた。中国を念頭に「新興債権国を含む債権国会合が創設されたことは画期的。日本は引き続き共同議長として(債務再編)議論を主導したい」と強調した。
財務省によると、昨年末の対外純資産残高は418兆6285億円で5年連続で増加した。
(竹本能文)
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