- 2023/05/22 掲載
午前の日経平均は小幅続伸、過熱警戒と海外勢の買い思惑が綱引き
日経平均は72円安でスタートした後、一時119円安に下げ幅を広げた。前日までの7連騰で1700円近く上昇したことに加え、25日移動平均線からの上方乖離率が5%超と買われすぎが意識される水準にあり、米債務上限交渉の難航が伝わる中で利益確定売りが先行した。ドル/円が137円台半ばと前週末から円高水準にあることは、輸出関連株を中心に重しになった。
一方、4月に目立った海外勢による日本株買いが5月も継続し、引き続き日本株の支えになるとの思惑は根強い。売り一巡後は下げ渋ってプラスに転じ、一時52円高に上昇する場面もあった。
市場では「ひとつのテーマで集中的に物色されると反動による下げが強まる危うさがあるところだが、うまく循環物色されているようだ。指数の過熱感は意識されるが、個別銘柄は押し目もあり、あまり過熱感がない、いい傾向ではないか」(りそなアセットマネジメントの戸田浩司ファンドマネージャー)との見方が出ていた。
主要3損保が増益予想や株主還元策の発表を好感され、業種別で保険が値上がり率トップ。インバウンド関連の空運や陸運も堅調だった。3月の機械受注統計は前月比マイナスだったが機械株は小高い。挽回生産への思惑が支えとみられる。「買われるセクターにはそれぞれ理由がある」(戸田氏)とも意識されている。
TOPIXは0.15%高の2164.95ポイントで午前の取引を終了した。東証プライム市場の売買代金は1兆4081億6100万円だった。東証33業種では、値上がりは保険や空運、陸運など23業種で、値下がりは繊維や精密機器、金属製品など9業種だった。
東京海上HLDGやダイキン工業は年初来高値を更新。アドバンテストは堅調だった。一方、トヨタ自動車やソニーグループは軟調。ファーストリテイリングはさえなかった。
東証プライム市場の騰落数は、値上がりが1039銘柄(56%)、値下がりは708銘柄(38%)、変わらずは88銘柄(4%)だった。
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