- 2023/05/20 掲載
NY市場サマリー(19日)ドル・株下落、利回り上昇
パウエル議長はワシントンで開催された会議で、信用状況の逼迫は「われわれの目標を達成するために政策金利をそれほど引き上げる必要がないかもしれない」ことを意味すると指摘。FRBは「会合ごとに」意思決定を行うと改めて表明した一方、1年間の積極的な利上げを経て、当局者には「データと変化する見通しを確認し慎重に判断する余裕がある」とした。
シルバー・ゴールド・ブルのFX・貴金属リスクマネジメントディレクター、エリック・ブレガー氏は「パウエル氏はあからさまなハト派ではなかったが、タカ派でなかったことは確かだ」と指摘。債券市場でも外為市場でもタカ派的なポジションが解消され、週末に向けたドル高の勢いを削いだとした。
パウエル議長の発言を受け、金利先物市場では、FRBが6月の会合で政策金利を0.25%ポイント引き上げる確率が約16%に低下。パウエル議長の発言前は約40%だった。
ドル指数は序盤に7週間ぶりの高値を付けたが、終盤は0.4%安の103.08。週間では0.6%上昇した。
ユーロ/ドルは0.3%上昇の1.0806ドル。週間では0.8%安だった。
ドル/円は0.7%安の137.76円。一時138.745円と6カ月ぶりの高値を付けた。週間では1.7%の上昇を記録し、2月中旬以来最大の上昇率となった。
また、米ホワイトハウスと共和党の連邦債務上限を巡る協議が一時中断されたと、複数の米メディアが報じた。一方、ホワイトハウスは合意の可能性は残されているとの見解を示した。
このニュースもドル安につながった。
オフショア人民元は対ドルで一時7.0752元と昨年12月以来の安値を付けた。ただ終盤は0.3%高の6.9539元だった。
<債券> 国債利回りがおおむね上昇した。ただ、連邦債務上限問題や銀行部門を巡る懸念のほか、FRBのパウエル議長の発言内容がハト派的と受け止められたことで、利回りが一時低下する場面もあった。
パウエル議長の発言を受け、国債利回りは大きく低下。2年債利回りは一時10ベーシスポイント(bp)以上低下した。その後は上向き、終盤の取引では4.287%。
この日は、ホワイトハウスと共和党の連邦債務上限を巡る協議が一時中断されたと伝わったほか、イエレン米財務長官が18日に開かれた銀行トップとの会合で、一連の銀行破綻を受け一段の銀行合併が必要になる可能性があると述べていたことが米CNNの報道で分かった。
終盤の取引で10年債利回りは4bp上昇の3.689%。30年債利回りは約5bp上昇の3.946%。
週末から来週にかけての市場の焦点は、債務上限を巡る協議の行方。インタラクティブ・ブローカーズのシニアエコノミスト、ホセ・トーレス氏は「議会が来週中に(債務上限に関する)合意を可決できなければ、政府の資金繰り策が行き詰まる『Xデー』とされる6月1日より前に解決する可能性は低いため、交渉担当者にはほとんど余裕がない」としている。
<株式> 反落して取引を終えた。連邦債務上限を巡る協議が一時中断したことで、合意が数日中に成立するとの見方が後退したことから、序盤の上昇分を吐き出した。
LPLファイナンシャルのチーフグローバルストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は、共和党が協議を離脱したのは民主党に圧力をかけ、バイデン大統領が国外にいることを利用するためかも知れないと指摘。「金曜日の午後にこのニュースは間違いなくプラスにはならない」と述べた。
米CNNは19日、イエレン米財務長官が18日に開かれた銀行トップとの会合で、一連の銀行破綻を受け一段の銀行合併が必要になる可能性があると述べたと報じた。
これを受けて地銀株が下落。KBW地銀株指数は約2.17%安となった。それでも、投資家が銀行問題は今のところほぼ終息したとみていることから、週間では6.2%上昇した。
モルガン・スタンレーは、2.66%下落。ジェームズ・ゴーマン最高経営責任者(CEO)(64)は19日の株主総会で、1年以内に退任する意向を明らかにした。
靴小売大手フットロッカーは27.2%急落。通年売上高と利益の見通しを下方修正した。
これを受け、同業の米スポーツ用品大手ナイキが3.46%安、アンダーアーマーも4.20%安となった。
米取引所の合算出来高は98億6000万株。直近20営業日の平均は106億2000万株。
ニューヨーク証券取引所では値下がり銘柄数が値上がり銘柄数を1.36対1の比率で上回った。ナスダックでは1.19対1で値下がり銘柄数が多かった。
<金先物> 米債務上限を巡る警戒感の再燃を背景に買われ、4営業日ぶりに反発した。中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比21.80ドル(1.11%)高の1オンス=1981.60ドル。金は週間では1.89%安となった。
<米原油先物> 続落した。米国産標準油種WTIの中心限月6月物の清算値(終値に相当)は前日比0.31ドル(0.43%)安の1バレル=71.55ドル。7月物は0.25ドル安の71.69ドル。
ドル/円 NY終値 137.95/137.98
始値 138.26
高値 138.65
安値 137.44
ユーロ/ドル NY終値 1.0802/1.0806
始値 1.0793
高値 1.0828
安値 1.0783
米東部時間
30年債(指標銘柄) 17時05分 94*18.00 3.9355%
前営業日終値 95*04.50 3.9010%
10年債(指標銘柄) 17時05分 97*14.50 3.6822%
前営業日終値 97*23.50 3.6480%
5年債(指標銘柄) 17時05分 98*29.75 3.7389%
前営業日終値 99*03.50 3.6980%
2年債(指標銘柄) 17時05分 99*08.13 4.2787%
前営業日終値 99*08.63 4.2690%
終値 前日比 %
ダウ工業株30種 33426.63 -109.28 -0.33
前営業日終値 33535.91
ナスダック総合 12657.90 -30.94 -0.24
前営業日終値 12688.84
S&P総合500種 4191.98 -6.07 -0.14
前営業日終値 4198.05
COMEX金 6月限 1981.6 +21.8
前営業日終値 1959.8
COMEX銀 7月限 2406.0 +42.7
前営業日終値 2363.3
北海ブレント 7月限 75.58 ‐0.28
前営業日終値 75.86
米WTI先物 6月限 71.55 ‐0.31
前営業日終値 71.86
CRB商品指数 262.1346 +0.4711
前営業日終値 261.6635
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