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- 2021/02/01 掲載
『絶対達成』シリーズ著者の横山信弘が解説、営業DXで「静かなる衰退」を食い止めよ
VUCA時代に気合いと根性は「必要」
「これまで営業は気合いと根性の世界だといわれてきました。テクノロジーの進展によって気合いと根性は古いということが盛んに喧伝されますが、その考えこそが古いと言いたいです」(横山氏)
横山氏によれば、営業という職種には独自の特性があるという。すなわち、お客さまという相手あってのものであるため、「理屈(正論)が通じない」「想定外の事態が連続する」「成約までに関係を構築すべき相手が膨大」という困難が当たり前に存在し、こうした状況を乗りこえるために「気合いと根性は必要」なのである。
加えてビジネスを取り巻く環境は「VUCA」とよばれる、変動性、不確実性、複雑性が高まる時代に突入している。「正解が分からない」状況に対応するため、より「攻めの営業」にシフトしていくことが求められる。
横山氏が支援する企業には成熟期にある企業が多い。「企業は、導入期、成長期を経て成熟期に至り衰退期へと向かう」と横山氏は話す。成熟期には既存ビジネスの引き合いが多く、「営業は引き合い対応や待ちの営業だけでもある程度、成績を残せる」が、その状況を放置していると、徐々に衰退期に向かってしまう。
この「静かなる衰退」を食い止め、第2、第3の成長を遂げるのに必要な「営業DX」はどのように進めればいいのだろうか。横山氏はまず営業DXの定義から話し始めた。
第2の成長を遂げるのに必要な「営業DX」とは
「静かなる衰退」を食い止めるための「営業DX」とは何か。だ。まずDXについて、横山氏は、「業務のデジタル化(デジタライゼーション)に加え、思考や行動の変容を伴うもの」だと定義した。つまり、営業DXとは、「テクノロジーを使って、営業担当者の思考や行動をいかに変えていくか」という取り組みだといえる。
「私たち自身が変わっていくために、新しいことに挑戦していく必要があります。新たな訪問先の開拓、新たな仕事の進め方に挑戦するには、結局のところ気合いと根性しかないのです」(横山氏)
しかし、単に気合いと根性があればDXが実現できるわけではない。横山氏は、組織営業をチームスポーツになぞらえ、「野球やサッカー、ラグビーなどのチームスポーツで試合に勝つためには気合いがあることは前提で、その上でデータ分析や戦術が必要だ」とした。営業DXにもテクノロジーが不可欠で、これが「セールステック」だという。
「組織で戦えば、1+1で2以上の力を生み出せます。たとえ営業担当者一人ひとりの個人能力に突出していなくても、セールステックをうまく活用することで、チームとして大きな力を発揮することができるのです」(横山氏)
実際の営業プロセス全体で見てみよう。成約までのプロセスには大きく、「リードジェネレーション(見込み客生成)」「ナーチャリング(顧客育成)」「商談」「クロージング」の4つがある。
一般的に、リードジェネレーションはマーケティングが担当し、ナーチャリングはインサイドセールスが担うことが多い。そして、案件化した後の商談とクロージングをフィールドセールスが担当するのが一般的だ。
【次ページ】長期の信頼関係で「離脱しないマーケティング」へ
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