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- 2021/01/30 掲載
いよいよ「ストレージレス」が実現へ 性能も容量も自動調整、最大70%のコスト削減も
ITジャーナリスト/Publickeyブロガー。大学でUNIXを学び、株式会社アスキーに入社。データベースのテクニカルサポート、月刊アスキーNT編集部 副編集長などを経て1998年退社、フリーランスライターに。2000年、株式会社アットマーク・アイティ設立に参画、オンラインメディア部門の役員として2007年にIPOを実現、2008年に退社。再びフリーランスとして独立し、2009年にブログメディアPublickeyを開始。現在に至る。
ストレージの準備も管理も不要、大きなコスト削減効果も
サーバレスでアプリケーションの負荷に合わせてサーバ数が増減するように、Spot Storageでもストレージがアタッチされる仮想マシンやコンテナが要求されるストレージ性能とストレージ容量に応じて、自動的にストレージの性能と容量が増減するようになっています。これにより、あらかじめ管理者が必要な性能と容量を見積もってSSDやHDDなどの適切なストレージをプロビジョニングしておく、といったことが不要になります。
ストレージのプロビジョニングや管理が不要になるだけでなく、つねに必要最低限の性能と容量を持つストレージリソースが動的に割り当てられる仕組みのため、例えばストレージへの高速なアクセスが必要な時だけ高価なSSDが割り当てられ、アクセスがなくなれば性能の低い安価なストレージへと自動的に切り替わるといったストレージコストの最適化も行われます。
NetAppは最大で70%ものコスト削減効果があると説明しています。
シンプロビジョニング、重複排除、階層化などを組み合わせ
Spot Storageがどのような仕組みなのかを示したのが下記の図です。シンプロビジョニング、圧縮、重複排除、ストレージ階層化の技術を組み合わせていることが示されていますが、これらの技術をどのタイミングでどのように組み合わせているかまでは同社は明らかにしていません。シンプロビジョニングとは、物理的なストレージ容量にかかわらず論理的なストレージ容量を大きく見せる技術。
圧縮と重複排除はデータを圧縮する技術、ストレージ階層化は性能の異なるストレージを組み合わせ、頻繁にアクセスされるデータだけを高速なストレージへ配置することで、ストレージコストを下げつつストレージ性能を向上させる技術です。
おそらくは、シンプロビジョニング技術を用いて小容量の高速なSSDを大容量に見せつつサーバにアタッチし、ストレージ階層化によって裏に大容量のストレージを配置。
高速なストレージと大容量の低価格ストレージを負荷によって動的に組み合わせつつ、圧縮と重複排除によって小さくしたデータを動的に再配置することで性能を最適化する、といったことを行っているのではないかと推測されます。
【次ページ】NetAppが買収したSpotと組み合わせる
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