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NTTデータ経営研究所は2月2日、「企業におけるロボットのビジネス活用動向調査」の結果を発表した。従来、ロボットといえば工場内で人間の代わりに同一反復作業や定型的作業を代替する産業用ロボットが中心だったが、近年はテクノロジーの進展に伴い、工場外のフィールドにおけるロボットの活用が広がっている。こうしたロボットの導入・活用の動向において、必要なテクノロジーや推進に取り組む人材、不足している人材のスキルセット、外部企業との連携、ハードル、今後の展開などの観点で、各社の取り組み実態について調査している。
サービス用ロボットの導入・活用を進めている企業は全体の約4割
ロボット導入・活用の実態については、サービス用ロボットが大きな潮流のひとつとなっている。サービス用ロボットは従来の工場などで定型的な作業を行う産業用ロボットと異なり、コミュニケーションロボットに代表されるような工場外で非定型的な作業を行うもの。
サービス用ロボットの導入・活用を進めている企業は、全体の約4割を占める。サービス用ロボットの種類としては、「受付・案内・接客」ロボットが多く(33.5%)、その目的としては「人間の作業の代替」(52.2%)、「人間の作業の支援・手伝い・能力拡張」(46.0%)とする場合が多い(図1、図2)。
「人間の代替」よりも「人間にはできないこと」で成果が現れる傾向
サービス用ロボットの成果では、「成果が得られている」とする割合は、「サービス用ロボット(消費者向け)」が約52%、「サービス用ロボット(企業向け・業務向け)」が約59%となっており、「産業用ロボット(製造、組立、搬送など)」の約67%よりもやや低くなっている。
種類に対する成果の割合では、導入割合の大きい「受付・案内・接客」が約50%、「おもちゃ・エンタテイメント」が約47%、、「見守り・癒し」が44%、「家族・友達・ペット」が約45%など全体と比べ低い数字であった。逆に「清掃」(91%)、「警備・巡回・監視」(87%)のように、動き・パターンが定まっており人間とのコミュニケーションが発生しない種類のロボットに成果が出ていた(図3)。
「成果が得られている」という割合は、「人間にはできないことの実現③(データの蓄積・分析)」は約78%、「人間にできないことの実現②(24時間365日化)」は約75%、「人間にはできないことの実現①(高所や危険物取扱などの危険作業)」は約71%であった。このことから、サービス用ロボットの導入・活用の目的として多かった「人間の作業の代替」や「人間の作業の支援・手伝い・能力拡張」よりも、比較的成果が得られていることがわかる(図4)。
【次ページ】ロボットの導入・活用で不足している技術は「AI、データマイニング」
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