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一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が1月に発表した、上場企業1000社を対象にした「企業IT 動向調査2018」(IT予算の速報値)では、約4割の企業がIT投資を増加すると回答している。この値は、「IT投資が過去10年で最高の伸びとなる」ことを指すというが、背景には何があるのだろうか。また、どんな分野の投資が増えているのだろうか。
企業のIT投資は過去10年で最高の伸びに
2018年度のユーザー各社のIT予算の増減予測では、全体の40.7%が「増加」、45.5%が「不変」(前年度並み)と回答した。IT予算を「増やす」割合から「減らす」割合を差し引いたDI(ディフュージョン・インデックス)は27.0ポイントとなり、2017年度の17.7ポイントを9.3ポイント上回っただけでなく、過去10年で最も高かった2016年度の25.6ポイントよりも高い数値となった(図1)。
IT投資が過去10年で最高の伸びとなりそうな背景には、国内企業の業績の好調な推移があるとみている。豊富な手元資金をIT投資に振り向ける企業が多いと推測できるほか、デジタル技術を用いたビジネス変革やIT活用による人手不足の解消などが経営の重要課題になっていることも、IT投資の追い風になっているという。
IT投資は大企業ほど「増やす」と「減らす」に二極化
2018年度のIT予算の増減を売上高別でみてみると、DI値においては大きな差は確認されないものの、売上高が大きくなるほど「不変」が減り、「増加」と「減少」に二極化していることがわかる。売上高が1兆円以上の企業では、IT投資が「増加」と回答した割合は53.8%(10%以上増加:19.2%、10%未満増加:34.6%)だが、「減少」との回答も30.8%(10%以上減少:0.0%、10%未満減少:30.8%)にのぼった(図2)
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