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- 2017/12/08 掲載
米自動車業界で、なぜパナソニックが注目を集めているのか
オートモビリティ・LAで見た
自動車ショーの主役が変わった
11月末に毎年開催されるロサンゼルス・オートショー。しかし、2016年からプレス向けイベントの正式名称は「オートモビリティ・LA」に変更された。EV導入、自動運転の実験走行などが米国で最も進むロサンゼルスだけに、オートショーと言えどもその内容は急速に変化している。たとえば2016年は基調演説にインテルが登場して話題となったが、今年基調演説を行った企業にはインテル、マイクロソフト、そしてパナソニック、と従来車の関連部品やエンターテイメントシステムなどを生産していたところが中心となった感がある。
オートショーとは、自動車メーカーが新型モデルやコンセプトカー、モデルチェンジなどを発表する場だったが、現在ではコネクテッドカーなどのテクノロジーを披露する場になりつつあるのだ。
今回基調演説を行ったのは北米パナソニックCEOであるトム・ゲブハート氏。タイトルは「Remaking Transportation」だ。交通システムそのものを作り変える、という大胆な発想だが、その根底にあるのはもちろん車のEV化と自動運転の発達、そして交通全体が作り上げるコミュニケーションネットワークと都市の関係性だ。
最終的な決断を下すのはコンシューマー
公共交通の発達とそれと連動する形でのライドサービス、自動運転バスなどの普及。そして「家族の時間」を大切にするための自動運転車両の発達。それぞれに一応の回答はあるが、最終的な決断を下すのは消費者(コンシューマー)であり、その需要こそが今後の交通を左右する、という。
交通システムを作り変えるために必要な要素として、まずマクロテクノロジーが挙げられる。1つ目はアプリケーションをベースとしたモビリティ、たとえばウーバーなどのライドサービスやカーシェアリングが、2018年には自動車交通量全体の15~25%を占める可能性がある、とパナソニックは指摘する。
これを裏付けるデータとしては、PEWリサーチが発表しているものがある。ライドサービスを日常的に利用する、という層では「日常的に自分で運転する」人が63%だが、滅多に利用しない、まったく利用しない層では85%前後となる。
またライドサービスのヘビーユーザーがマイカーを所有する率は64%で、利用しない層の78%と比べて低い数字となっている。
別の調査ではライドサービス、タクシーなどを初めて利用した時に使った手段として、最も多かったのがスマホなどのアプリ、次いで電話となっている。車を呼ぶのにアプリを使う、というのは最早、常識になりつつある。
【次ページ】パナソニックがコネクテッド・ワールドを実現するための「4P」
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