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NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)は、これまで担ってきた企業ITのインフラ構築に加え、パートナーの持つ技術と組み合わせることで、企業のデジタルトランスフォーメーション(デジタル化)を推進している。その波はスポーツの分野にも押し寄せているようだ。同取り組みについて、NTTコム代表取締役社長 庄司哲也氏、陸上男子ハンマー投 五輪金メダリストの室伏広治氏、SAPジャパン 福田譲社長らが語った。
NTTコムが手がける3つのデジタル化サービス戦略
「NTTコミュニケーションズ(以下、NTTコム)にとって、デジタルトランスフォーメーションとはICTを活用した『ビジネスプロセスの変革』『ビジネスモデルの創出』のことである」――。NTT Communications Forum 2017の基調講演に登壇したNTTコムの代表取締役社長 庄司哲也氏はこのように、自社での定義を説明する。
ビジネスプロセスの変革とは、人工知能(AI)やIoTにより、ビジネスの工程を高度化したり、効率化したりすることを指す。ビジネスモデルの創出とは、パートナー企業の持つ製品やサービスと自社の強みを組み合わせる「サービタイゼーション(サービス化)」のことだ。
NTTコムはこうしたデジタルトランスフォーメーションの際に、顧客のICT環境の最適化を目指し、3つのサービス戦略を立てているという。
その3つとは、「高品質、高信頼なインフラストラクチャーの追及」「Software Defined技術など先進的な技術を用いた柔軟・迅速なサービス(SDx+M・IoT)の開発」「パートナリングの推進」のこと。
この中で同社が最も注力するのが、インフラストラクチャーの追及だ。「安心・安全なビジネス基盤を提供するために、インフラストラクチャーの“質”を追求している。海底ケーブルネットとデータセンターといった、大規模なインフラを一元的に構築、運用し、サービス提供できるのが我々の強み」(庄司氏)
デジタル化事例、AI駆使で問い合わせ3倍に
デジタルトランスフォーメーションについてはNTTコム自身がまず推進。自社のコンタクトセンターでAIを活用し、顧客接点を拡大しているという。
同社では、2013年から「チャットでの問い合わせ」窓口を開設。対応はすべてオペレーターが担い、平日と土曜日の10~19時に対応していた。
顧客接点を拡大するため、エンドユーザーからのチャットでの問い合わせを最初に受け付けるプロセスに、NTTコムのAIエンジン「COTOHA(コトハ)」を導入。これにより、24時間365日の顧客対応が可能になり、問い合わせは3倍に増えたという。
庄司氏は「(エンドユーザーの不満がでないように)チャットでのAI対応を人間のオペレーターに切り替えられるようにして、臨機応変な対応ができるようにしている。COTOHAによりオペレーターの稼働量を6割削減できた」と説明。COTOHAのコールセンター向けサービスは、SMBC日興証券のコンタクトセンターにも導入されているという。
また、この9月には、プリファード・ネットワークス(PFN)に対し、理論上のピーク性能は4.7ペタフロップスと、民間企業のプライベートな計算環境をもつ、国内最大級のスーパーコンピュータを構築した。
さらに世界140拠点、4万人の従業員を抱える三井物産に対し、メールなどのコミュニケーション基盤を構築。先進技術の基盤構築実績に加え、グローバルなプロジェクトマネジメントやネットワーク、クラウド、コロケーションの一元的な構築・運用を担ったという。
【次ページ】 金メダリスト室伏氏が語る、スポーツにおけるデジタル化
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