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クラウド専業のシステムインテグレータ(SIer)として知られている企業の1つ、サーバーワークス。同社の代表取締役 大石良氏は7月29日に都内で行われたイベント「Developer Summit 2015 Summer」(夏サミ2015)で、「AWS専業クラウドインテグレータが語る クラウド時代のエンジニア像」と題した講演の中で、クラウド時代のエンジニアに求められるスキルについて説明しています。
クラウド専業のSIerとして社内に多くのクラウドエンジニアを抱える同社社長は、クラウド時代のエンジニアにはどのようなスキルが重要だと考えているのか。その内容を紹介します。
「作らないSI」でスキルを伸ばすには?
サーバーワークス 代表取締役 大石良氏。
クラウド時代の「作らないSI」、自分たちはどうするのだ、という話を最後にさせていただきたいと思います。
クラウドサービスって、めちゃめちゃたくさん出ていますよね。たくさん出ているクラウドサービスを、頭に入れておかないとどうにもなりません。
「クラウドのインデックス」と書きましたが、これが頭にないと絶対だめなんです。
でも、私たちは時間が限られていますから、全部を深堀することなんかできない。そうするとやっぱりどこかに絞って、ここは自分はよく知っているぞと。
このT字型が必要なのだと思います。
私たちはたまたまAWSをやっていますので、AWSの世界で基本的なところでは仮想マシンの構築、ネットワーキングがあります。しかしこの部分はどんどん自動化が進んでいきます。そうするともっとハイレベルなところを深掘りしていかざるを得ないわけです。
例えば、高いセキュリティレベルをどうやってAWSで実現するのか、高度なビジネス要求や新しいビジネスをどうやって、AWSを使って実現するのか。
こういうふうに、どこかに絞ってどんどん深掘りの要求レベルを上げていかなければいけない。
こういうことが、いま、求められているのかなというふうに思いますね。
クラウド時代のエンジニアには、3つのスキルセットが必要
クラウド時代のエンジニアのスキルセットは、大きく3つあると思います。
1つは、いま言ったT字型の知識。
2つ目は説明能力ですね。なんでその技術を使うのか、なんでそのサービスなのか。相手がお客さんであろうと、そして中の人。中の人を説得できるかどうか、めちゃくちゃ大事ですよ。
私たちもAWSのデリバリーを普段やっているので分かるのですけれど、AWS導入の1番の阻害要因は社内です。社内の人たちが邪魔をして、AWSが入らない。
AWSにすればもっとコストも安くなるし、もっとリスクも軽減できるし、もっといいものができるのに、でも中の人たちを説得できないから入らない。
なので説明能力がものすごく大事なのです。
そして、3つ目はコーディング能力です。
Salesforce.comのようにすごく大きなものから本当にちょっとしたサービスまで、クラウドにはいろいろあります。そういったもの、つなぎ合わせる基盤もどんどんでき始めている。
そしてほとんどのクラウドサービスではAPI公開がデフォルトになっていますから、それを使いこなしていくこと。
こういった3つのスキルセットが必要なのだろうなあというふうに思いますね。
【次ページ】 クラウドのT字型知識を伸ばすには
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