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- 2015/02/10 掲載
ニューロエコノミクスとは何か?人間は「利得」と「確率」と「時間」で価値判断する
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脳は価値判断に基づいて意思決定している
神経経済学(ニューロエコノミクス)は、神経科学、経済学、心理学を融合した分野で、人間や動物の「価値」に基づく意思決定を記述しようとする学問だ。ATR 田中氏はニューロエコノミクスの命題について次のように説明する。
脳情報通信総合研究所
田中 沙織氏
ニューロエコノミクスでは大前提として、人間を含む動物は、価値に基づいて意志決定をすると考えているという。その際には色々な要素が関係するが、主なものは3つで、「利得」と「確率」と「時間」だ。
まず利得は「どれぐらいたくさんもらえるのか?」という視点だ。我々は同じ値段なら、より多くもらえたほうがその選択の価値が高いと計算する。
2つめの要素が確率で「どれぐらい確かにもらえるか」。たとえば宝くじを買う場合、1等の当たる確率が高いと評判の売場には長い行列ができる。我々は確率の高い選択肢に高い価値を見出す。
そして3つめが時間で「どれぐらいすぐにもらえるか」という視点だ。人は全く同じものが手に入る時、長い行列に並ばなければならない時とすぐに得られる時では、後者を選ぶ。つまり我々は待つと価値が下がってしまう、あるいは早くもらえたほうが価値が高いと計算している。
「ニューロエコノミクスの最初のステップは、脳がこうした価値の計算をしていると考え、それをどのように行っているのかを調べることです」
【次ページ】脳の価値判断は、社会問題や健康問題にも関係?
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