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- 2014/11/27 掲載
三菱地所レジデンス 副社長が語る、中国の次に狙う市場はどこか?
三菱地所レジデンス 脇 英美氏インタビュー(後編)
この記事は「三菱地所レジデンス 副社長に聞く、不動産マーケットは短期的・中長期的にどうなる?」の続きです。
現在の中国の住宅市況は?
──三菱地所レジデンスでは、海外展開の取り組みも積極的ですね。現在、中国の不動産マーケットはどのような状況でしょうか?脇氏■中国での取り組みについては、成都及び長春のプロジェクトに事業参画しています。中国には人口1,000万人規模の都市が数多くありますので、いわゆる投資用ではなく、実需層を対象にしたマンションを多く供給していく方針です。鈍ってきたとはいえ、まだ中国は成長率が7%台で推移しており、重要かつ巨大なマーケットです。いまは日本型マンションも研究されており、現地パートナーとお互いにアイデアを出しながら進めているところです。
昨今、中国住宅市況が低迷しているという報道もされていますが、この点に関しては、まったくマンションが売れないわけではなく、供給量が行き過ぎているところがあるということです。状況は場所によって異なります。ですから、日本でかつて言われた不動産バブル崩壊と同様の状況ではありません。中国はマーケットが大きいので、なかなか一括りで「中国ではこうだ」とは断言できませんね。
中国市場の次はどこが来る?
──中国の次に来ると感じている、注目の地域はありますか?脇氏■中国市場に合わせて、今後はASEAN地域も伸びていくと思います。現在、タイやマレーシアなどASEAN地域での案件も進行中です(注1)。成長市場をターゲットに、実需層向けという点では、中国と同様ですね。ブランドの浸透はまだまだですが、タイではパートナー企業が、日本大手のデベロッパーと組んでつくったマンションとして、我々の物件をアピールしています。
注1:参考 「三菱地所グループ タイ・バンコクで3プロジェクト 計2,000戸超の大規模住宅開発事業に参画」、「マレーシアにおける三菱地所グループ初のプロジェクト クアラルンプールで住宅開発事業に参画」
──やはり現地のパートナーと組んで、ということになりますか?
脇氏■海外では、法規制の問題や慣習などが国によって異なるため、現地のパートナーと組まないと展開が難しいです。シンガポールと上海には三菱地所グループの現地法人があり、そこと連携して、信頼できるパートナーを探しています。やはり考え方が近しいことがパートナーに求められます。
──海外展開での目標はどのくらいに設定されていますか?
脇氏■三菱地所グループでは、2020年までに営業利益の20%を海外で占めることを目標としており、当社もこれに貢献できるよう積極的に事業を拡大していく予定です。三菱地所グループの営業利益を単年度でみるとバラつきがありますが、これまで海外比率は10%程度に収まっていたので、簡単に言うと倍増を狙っています。欧米ではオフィス系の開発を中心に行っていますが、中国・東南アジアでは、マンションなどの分譲住宅事業が中心になっており、当社がアジア事業で担う役割は大きいと考えています。
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