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- 2013/11/28 掲載
競争ではなく協創必要、日立 中西宏明社長が語るグローバル社会イノベーション
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ヒト/モノ/カネが動き回ることで生まれる3つのシフト
一方で新興国では更なる発展のために、医療や教育、通信、交通などさまざまな社会インフラの整備が求められている。
「翻って日本を見れば、国内の空洞化や国内市場の縮小、少子高齢化、地方分権などの課題に直面しており、これらを克服していくことが経済発展の大前提となる」
そしてこれから世の中は、集中から分散へ、所有から共有へ、消費から循環へと動いていくと予想される。
たとえばこれまで経済発展は欧米や日本などに集中していたが、新興国と呼ばれる国々は世界中に分布するようになった。情報処理の環境も分散化していく。すると自分で所有するものと皆で共有するものとがどんどん分かれ、マクロ的に見れば共有していくものがより増えていく。またリサイクルというだけでなく、ありとあらゆるものを皆で共有しながらうまく回して使っていくという大きなトレンド感も、国、政治、経済の各レベルで生まれてくる。
「こうした3つのシフトは、ヒト/モノ/カネが自由に動き回るからこそ可能になってくるもの。ある意味で、境界を乗り越えていくという動きの象徴的な現象だと理解している」
社会イノベーションに向けた日立のさまざまな取り組み
そしてヒト/モノ/カネに情報を加えた4つの資源の自由な流通が、イノベーションに繋がっていく。しかしその際には、乗り越えなければならない3タイプの壁が存在する。それが時間/距離/空間の壁、組織の壁、制度/規制の壁だ。その際に重要な鍵を握るのは「やはり情報」(中西氏)だ。
情報の活用によって、ベースとなるヒト/モノ/カネが今、どのように動いているのかを認識することが、以前よりも飛躍的にできるようになった。まず世の中で何が起こっているかを知るために、いわゆる“ビッグデータ”を集めて蓄積し、そこから必要な情報を探し出して分析をして、新たな可能性や将来を発見/予測する。そして新たなサービスを創出するのだ。
「情報こそが、社会を大きく変えていくための非常に重要な資源だ。こうした大きな情報をうまく活用して、経済の発展と社会課題の解決を実現していくことが肝要だ」
ここで中西氏は、現在日立グループが取り組んでいる社会イノベーション事業について言及した。大きく8つの分野があり、各々エネルギー、水/資源、都市設計、ロジスティクス、交通、ビッグデータ(IT)、ヘルスケア、金融だ。
「これらの事業を推進していく上で、我々が持つものづくりの力、ITの力、そしてOT(Operation Technology:制御/運用技術)の力を利用し、サステイナブル(=持続可能であること)な社会の実現を目指す」
たとえば日立は、古くなった列車を置き換える英国の都市間高速鉄道計画(IEP:Intercity Express Programme)というプロジェクトにおいて、車両製造を請け負った。しかし車両自体の製造は受注全体の半分以下だという。
「単に輸送手段を提供するだけでなく、メンテナンスをし、(故障などの)予兆診断を行い、さらには列車を時刻通りに運行させる運行管理サービスや、それら全体をファイナンスとして支える仕組みも構築した。車両に付随する必要機能を、“交通トータルソリューション”として提供した」
【次ページ】4つの資源活用がイノベーションの鍵を握る
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