2012年の国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場は企業のシステム更改や仮想化の導入に伴う運用管理プロセスの見直しが進み、システム/ネットワーク管理ソフトウェアの刷新や新規導入への投資が増えたことで、2008年以来の5％以上の成長を達成した。


　市場構成比で1/4以上を占めるワークロードスケジューリング/オートメーションソフトウェア市場が前年比7.0％増となり、市場成長をけん引した。当該市場の大部分を占めるジョブスケジューリングの売上が堅調に伸びたことに加え、プロビジョニングオートメーションやランブックオートメーションのような運用自動化ソフトウェアがデータセンターサービス事業者とサービスプロバイダーを中心に売上を大きく伸ばしたという。

　また、IT資産管理を含むシステム変更/構成管理ソフトウェアも前年比7.0％増と好調だった。仮想化の導入に伴い、IT資産管理やシステム構成管理の見直しを図る企業が増え、ソフトウェア売上の増加につながった。

　ベンダー別の売上額シェアでは、日立製作所が2011年に引き続き首位を堅持、そして富士通、NEC、IBMと続いた。シェア10位以内で2012年に高い成長を達成したベンダーとして、マイクロソフトとVMwareが20％以上、HPが10％以上売上を伸ばした。

　2013年の国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場は前年比5.2％増になり、2012年と同水準で成長するとIDCでは予測している。システム更改や仮想化の導入に伴う運用管理プロセスの見直し、大規模データセンターにおける運用自動化に対する需要が2012年に続いて見込まれるという。

　同社予測では、2012年～2017年のCAGRは4.0％、2017年には3,551億円に達するという。仮想化の進展とともに多くの企業や事業者で運用の自動化が進むとみており、ワークロードスケジューリング/オートメーションソフトウェア市場の同CAGRは6.2％と予測している。

「2012年は仮想化されたシステムの運用管理の効率化を図るために、運用プロセスの見直しを行い、運用の自動化やシステムの可視化を実施する企業が増えた1年であった。2013年以降もさらにその流れを加速させるために、ベンダーは製品とソリューションを用いて、ユーザー企業の仮想化の効果を最大限に発揮するためのシステム運用管理プロセスの構築を支援していくことが必要である」（IDC Japan ソフトウェア＆セキュリティ シニアマーケットアナリスト 入谷 光浩氏）

　今回の発表はIDCが発行したレポート「国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場 2012年の分析と2013年～2017年の予測」（J13310106）にその詳細が報告されている。

　本レポートでは、国内システム/ネットワーク管理ソフトウェア市場を、「イベント管理ツール」、「ワークロードスケジューリング/オートメーションソフトウェア」、「パフォーマンス管理ソフトウェア」、「変更/構成管理ソフトウェア」、「問題管理ソフトウェア」、「ネットワーク管理ソフトウェア」、「出力管理ソフトウェア」の7つの機能別ソフトウェアに分類し、それぞれの2010年～2012年の売上実績とベンダーシェア、2013年～2017年の予測を提供している。