- 2012/04/06 掲載
IIJとACCESSが合弁会社ストラトスフィアを設立 次世代クラウド技術SDNやOpenFlowなどの研究開発
クラウド上でネットワークの仮想化と運用の自動化を可能にする新しい技術モデルとして昨今注目を集めている。OpenFlowも、SDNの要素技術と位置付けられている。
新会社のストラトスフィアは、SDNをはじめとするネットワークおよびモバイル技術分野で優れたソフトウェア開発力をもつACCESSと、クラウドおよびネットワーク運用技術に強みをもつIIJが相互に優秀な技術者を集め、早期に革新的なプロダクトを投入することで、立ち上がりつつあるネットワーク仮想化市場をリードしていくことを目指すという。
SDNのコンセプトが注目される背景には、サーバやストレージの仮想化が進むクラウド環境において、仮想化された計算リソース(CPU、メモリ、ストレージなど)をシステムとして組み上げるためのネットワークが、仮想化に十分対応できていないため、クラウド環境を活用した柔軟なシステム構築が難しい現状があった。特にマルチテナントのクラウド環境や、複数の仮想マシンとデータセンターを広域に分散するようなケースでは、ネットワークの複雑な構成管理や物理的な制約がボトルネックとなっている。
SDNは、こうした課題を解決し、複数の機器で構成されるネットワーク全体をソフトウェアで制御することにより、ネットワークの仮想化を実施するコンセプトになる。SDNのもとでは、場所に依存することなく、分散したデータセンター間でも必要な台数の仮想マシンの増設や移行を、任意のネットワークトポロジーのもとで、容易に、かつ短時間で行えるようになり、より柔軟なクラウド環境の構築が可能となるという。
ストラトスフィアでは、SDNに基づく仮想ネットワークからIaaS、PaaS、SaaSまで、クラウド環境全体を統合制御するための基盤ソフトウェアの開発を行い、そのソフトウェア製品をIIJおよびACCESSの持つ販売チャネルを経由して、データセンター事業者や通信事業者、大規模なEC事業者などをターゲットに販売していく。
第1弾として、OpenFlow技術を基にしたコントローラによる仮想ネットワークの自動設定機能を実装したSDN IaaSのβ版を今春にリリースし、その後、市場のニーズを反映させた商用製品を今秋を目処に提供する。
また、並行してSDN IaaSと連携するPaaSの開発等も順次進め、年度内にクラウド環境全体の各層を制御するプラットフォーム製品を揃えていく予定だという。
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