• 会員限定
  • 2011/10/04 掲載

東大 江崎浩教授xNEC 岩田淳氏対談:クラウド時代に求められるテクノロジー「OpenFlow」とは

  • icon-mail
  • icon-print
  • icon-hatena
  • icon-line
  • icon-close-snsbtns
会員になると、いいね!でマイページに保存できます。
東日本大震災以降、企業のクラウド活用はますます加速しているが、同時にクラウドを提供するデータセンターが抱える課題にも注目が集まっている。大規模化に伴う競争の激化や、仮想化の進展による管理の複雑化などがそうだ。データセンターが抱える課題と解決への道筋について、東京大学 大学院 情報理工学系研究科 教授 江崎浩 氏とNEC システムプラットフォーム研究所 所長代理 岩田淳 氏が大いに語り合った。

東日本大震災をきっかけに企業のクラウド活用が加速

photo
東京大学 大学院
情報理工学系研究科
教授
江﨑 浩氏
──現在、企業のクラウド活用が活発化しています。この動きをどうご覧になっていますか。

江崎氏 言うまでもなくコンピュータのビジネスはメインフレームからスタートしています。中央に大きなコンピュータがあり、専用回線でダム端末をつなぐという世界ですね。これが分散コンピューティングになり、クライアント/サーバへと進化しました。

 次に起こったのが、ブロードバンド化と常時接続です。これによって、インターネットの使い方が大きく変わりました。PCパワーも増大し、常時接続でネットワークが太くなったおかげで、多様なアプリケーションも登場しました。Webのあり方がまったく変わったわけですが、この技術を使って出てきたのがGoogleでしょう。

 そして今、企業の業務をアウトソースするクラウドの動きが出てきています。これをさらに加速させているのはスマートフォンやタブレットなどの端末の登場でしょう。日本の場合は、それに今回の東日本大震災が加わります。今回の震災で、これまでの企業のBCPが不十分であることが証明されました。BCPを作り直すには、当然、クラウドが必要になるでしょう。

photo
NEC
システムプラットフォーム研究所
所長代理
岩田淳 氏
──IT化を進める現場からは、クラウド化の動きをどのようにご覧になっていますか?

岩田氏 現在の企業のITは、社内に抱えていたさまざまなリソースをクラウド側に持っていき、それをサービスとすることでその対価をもらうという流れになってきています。その代表が江崎先生も指摘されたGoogleですが、キャリアやISPはどこでGoogleという巨大なデータセンターを持つ企業と差別化していくのかという話になるでしょう。その中でキーになるのは、いかにオペレーションコスト(運用費用)を削減するのかということだと考えています。各社はそこで工夫をしつつ、新しいサービスを創造して付加価値を出そうとしているのだと思います。

──クラウドのオペレーションコストについて、どう見ていますか。

江崎氏 米国のデータセンターは非常に利益率が高いのですが、その理由はオペレーターの人数が少ないからです。2人で3000台程度のサーバを管理しているケースが一般的です。日本もそれくらいにならないと、なかなか儲かる構造にはならないのではないでしょうか。オペレーションコストでもっとも大きいのは人件費ですから。

岩田氏 日本は人員が100人いれば、それを2人にするのではなく、それ以外は付加価値の高い、収益を得られる事業にシフトするという発想です。終身雇用も関係しているでしょう。いまはまだ、苦しいながらもビジネスになっていますが、いずれは利益が下がって人的コストの占める割合が上がっていきますから、どこかで転換が必要になると思います。

【次ページ】クラウド時代に求められるテクノロジー「OpenFlow」とは
関連タグ タグをフォローすると最新情報が表示されます
あなたの投稿

    PR

    PR

    PR

処理に失敗しました

人気のタグ

投稿したコメントを
削除しますか?

あなたの投稿コメント編集

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

通報

このコメントについて、
問題の詳細をお知らせください。

ビジネス+ITルール違反についてはこちらをご覧ください。

通報

報告が完了しました

コメントを投稿することにより自身の基本情報
本メディアサイトに公開されます

必要な会員情報が不足しています。

必要な会員情報をすべてご登録いただくまでは、以下のサービスがご利用いただけません。

  • 記事閲覧数の制限なし

  • [お気に入り]ボタンでの記事取り置き

  • タグフォロー

  • おすすめコンテンツの表示

詳細情報を入力して
会員限定機能を使いこなしましょう!

詳細はこちら 詳細情報の入力へ進む
報告が完了しました

」さんのブロックを解除しますか?

ブロックを解除するとお互いにフォローすることができるようになります。

ブロック

さんはあなたをフォローしたりあなたのコメントにいいねできなくなります。また、さんからの通知は表示されなくなります。

さんをブロックしますか?

ブロック

ブロックが完了しました

ブロック解除

ブロック解除が完了しました

機能制限のお知らせ

現在、コメントの違反報告があったため一部機能が利用できなくなっています。

そのため、この機能はご利用いただけません。
詳しくはこちらにお問い合わせください。

ユーザーをフォローすることにより自身の基本情報
お相手に公開されます