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世界中のインターネットトラフィックの30%を捌いているといわれるアカマイ。高帯域が要求される動画コンテンツ配信やグローバルに展開するECサイトのネットワークプラットフォームを世界中の企業に提供している同社だが、インターネットワーキングスタイルの進化に合わせ、エンタープライズクラウド、モバイルネットワークについてもアカマイクオリティのプラットフォームを展開しようとしている。その戦略とは。
不確実なインターネットを担保する技術
アカマイといえば、ハイビジョン動画を含むコンテンツ配信ネットワークや巨大ECサイトなどに安定したネットワークを提供していることで定評がある(参考リンク:
CDN/ADNとは何か)。
そのアカマイが、ビジネスクラウドやモバイルネットワーク向けにもサービスを強化するという。同社のExective Vice President クリス・シャトル氏が、「2011アカマイ・カスタマ・カンファレンス」(主催:アカマイ・テクノロジーズ)の基調講演で語った。
まずシャトル氏は、現状のインターネットとその中における同社の役割について次のように話す。
「インターネットを図示すると、それはとてもシンプルな絵になる。インターネットを意味する雲の絵と、そこにつながるWebサーバとクライアントPCだ。絵にすると簡単だが、その内部は無数のネットワークによって構成され、多様なプラットフォーム上に数多くのフォーマットのデータが行き交っている。しかも、そこには様々な脅威も存在している。アカマイのネットワークは、不確実なネットワークの信頼性を担保することにある」
こうした中で、アカマイがターゲットに考えるインターネットを活用したビジネスには、「情報と娯楽」「物販とサービス」そして「クラウドによるビジネス構築」の3つがあるという。
「情報と娯楽」は、コンテンツ配信ネットワークを基盤とするビジネスのこと。これは言うまでもなく、同社がこれまで得意としてきた分野だが、専用HDネットワークを開発することで、より高品質な映像を届けられるという。同社では「どこでもテレビ」という取り組みを行い、インターネット経由での映像配信にも力を入れている。
次に「物販とサービス」は、ECサイト向けのサービスこと。最近のECサイトは、対応デバイスがPCだけでなくスマートフォンやタブレットにも広がっている。ページの表現手法も複雑になり、画像も高画質なものが増えている。このような、ECサイトのパフォーマンスに対する要件が非常に高度化してきているのだという。
「現在、平均的なユーザーがレスポンスの待ち時間は2秒だ。ユーザーは2秒以上は待ってくれない。また、ECサイトは常に攻撃にさらされており、確実に守るにはエッジサーバだけの対策では不十分で、ネットワーク全体をセキュアにしなければならない」(シャトル氏)
こうしたECサイトの課題に対して、アカマイの「Dynamic Site Solutions」で、ネットワークのパフォーマンスとセキュリティを維持・向上させているという。
【次ページ】ハイブリッド型クラウドでネットワークとビジネスを最適化
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