- 2011/07/29 掲載
レイヤー4-7スイッチ市場(2010年):F5が4年連続シェア1位に、市場規模は2割増
金融危機後の企業の投資抑制によって大きく落ち込んだ2009年に対して、2010年は、企業の投資抑制がやや緩和されたことや、モバイルを含めたインターネット上でのサービス拡大に伴う設備増強によって、再びプラス成長に回復したという。
製品クラス別の動向を見ると、ネットサービス提供事業者やデータセンター、クラウドサービス提供事業者の設備増強に伴って、高い処理性能を有するハイエンドのレイヤー4-7スイッチ製品の需要が拡大した。また、リーディングベンダーの価格改定もあり、ローエンドクラスのレイヤー4-7スイッチ市場も活発な動きを見せたという。
2010年のベンダーシェアは、F5ネットワークスが4年連続で40%超のシェアポイントを獲得し首位を維持した。また、A10ネットワークスが2009年に引き続き大幅な成長を続け、シェアポイントを伸ばし順位を上げた。
IDCによれば、2011年以降の国内レイヤー4-7スイッチ市場は、インターネットサービス用設備としての需要拡大と、企業システムのデータセンターへの集約によって、市場は成長するという。2011年は、2010年の上向き傾向が持続し、モバイルを中心としたインターネットサービスの拡張、クラウドサービスの拡大などが牽引役になるとみる。ただし、東日本大震災の影響で、企業のITシステムへの投資が再び低下する懸念があると指摘している。
2012年以降に関しては、IDCは再び成長軌道に戻るとしており、2010年~2015年の年平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は8.0%と予測している。
「仮想化されたサーバー/データセンター環境においては、ネットワークに必要な機能/アプリケーションを集約するプラットフォームの役割を担うことがレイヤー4-7スイッチ市場の拡大には重要である。ただし、機能集約のプラットフォーム化は、レイヤー4-7スイッチだけでなく、セキュリティアプライアンスや仮想化サーバープラットフォームとの間の競争でもある。CPUの性能向上に応じてレイヤー4-7スイッチやその他の機能の性能も向上できるプラットフォームを構築して、プラットフォーム競争に勝ち残り、仮想化されたサーバー/データセンター環境で存在感を発揮し続けることが、レイヤー4-7スイッチ市場拡大のポイントである」(IDC Japan コミュニケーションズ シニアマーケットアナリスト 草野 賢一氏)
今回の発表はIDCが発行した「国内レイヤー4-7 スイッチ市場 2010年の分析と2011年~2015年の予測」(J11010104)にその詳細が報告されている。
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