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国内最大手のメガネ専門店チェーンである三城は、基幹システムと受発注・集配信システムのミドルウェアをOSSを使用したものに刷新した。新システムは、2010年2月より全面的に稼動を開始しているという。
メガネの三城では、1980年代からITを取り入れており、2001年には、Linux上でCGと人工知能技術を利用し、顧客に合わせたオリジナルメガネをデザインする「ミキシム・デザインシステム(MDS)」、高度な推論の技術を応用し、顧客主導で最適なメガネの推奨を受けられるシステム「mimir(ミーミル)」、美容診断システム「e-face」などを統合し、各種システムを運用していた。
2005年には、受発注・集配信システムをメインフレームからLinuxベースのオープン・システムへ移行していたが、今回基幹システムでも従来のメインフレームから、NECの「Express5800/スケーラブルHAサーバ」と高可用Linuxの組み合わせによるオープン・システムへ移行した。また、受発注・集配信システムでも、従来の商用ミドルウェアからOSS(オープン・ソース・ソフトウェア)を使用したものに変更するとともに、NECの共通IT基盤サービス「RIACUBE(リアキューブ)」を利用したシステムに移行した。
今回移行した基幹システムでは、COBOLアプリケーション、JCL(ジョブ制御言語)資産などの移行、変換、構築などを実施。これにより、メインフレームからオープンへのスムーズな移行を実現。システム刷新により、運用の負荷は、メインフレームを使用した場合に比べて大幅に軽減。また、処理スピードも従来比、I/Oモジュールのチューニングなどにより2~3倍の高速化を実現したという。
メーカ・店舗間の受発注・集配信システムでは、アプリケーションサーバを商用アプリケーションサーバから、OSSの「JBoss Enterprise Application Platform(以下 JBoss)」へ変更。「JBoss」は、国内では基幹システムへの適用例は少ないOSSであったものの、NECは事前に徹底した動作検証・評価を実施。「JBoss」採用により、保守費用を低減することに成功したとしている。
さらにシステム基盤として、NECの共通IT基盤サービス「RIACUBE」を提供。NECがハードウェアとOS、ミドルウェアをあらかじめ組み合わせ検証したプラットフォームと、ITIL準拠の運用管理とをセットにしたオンデマンド型サービスを月額料金で提供することにより、初期コストを抑え、システムの安定稼動と運用負荷の軽減を両立したとしている。
三城には、システム刷新にあたり、基幹システムについてメインフレームの信頼性を維持しながら、将来の拡張性も優れたシステムを実現したいとのニーズがあった。また、受発注・集配信システムのアプリケーション資産の継承、運用コストの抑制も大きなテーマだったという。NECでは、今回のシステム刷新により、こうしたニーズに応えることができたとしている。
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