• 2007/10/31 掲載

【BEA Systems CTO インタビュー】 今、ITは人とコラボレートする時代

BEA Systems, Inc. エグゼクティブ・バイスプレジデント兼CTO Rob Levy氏

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企業におけるITの役割は、単純作業の効率化による生産性向上から、よりクリエイティブな分野へと広がりを見せている。こうした変化がITにもたらすものは何なのか。またその変化をうけて新たにあらわれるITソリューションがビジネスに与える影響とはどのようなものなのだろうか。ITとビジネスプロセスとの関わりを見つめ、SOA製品やBPM製品群でビジネスをサポートしてきたBEAシステムズのエグゼクティブ・バイスプレジデント兼CTO、Rob Levy氏の意見をうかがった。そこからは、BEAシステムズが考えるビジネスのあり方や、そのなかでのITと人との新しい関わり方が見えてきた。

社内外のコラボレーションを促進

【マネジメント】[BEA Systems CTO インタビュー] 今、ITは人とコラボレートする時代
BEA Systems, Inc.
エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 CTO
Rob Levy氏
-まずBEAシステムズの概要について、改めて教えていただけますか?

 BEAシステムズは、1995年に当時はノベル社の製品だったTuxedoを買収して、創業しました。また、今後はJavaプラットフォームが重要になっていくだろうと判断した私たちは、Javaをいち早くアプリケーション・サーバに実装したWebLogic社を買収し、BEA Weblogic Serverとしてリリース、また業界標準技術とTuxedoの技術を上手く取り込み製品をさらに堅牢なものにし、エンタープライズ・ソフトウェアのリーディングカンパニーとして成長を続けています。今では年間売上14億米ドルに達し、全世界で18000社のユーザー企業様に製品を使っていただいています。主な製品ラインアップは3つ、WebLogic 、AquaLogic、Tuxedoです。

-BEAシステムズの創業以来一貫した基本戦略のようなものはありますか?

 私たちの基本戦略は、大きく3つに分けられます。ひとつはJavaプラットフォームにより、特定のベンダに左右されず、どのような環境でもソフトウェアを使ってもらうための基盤を提供すること。もうひとつは、統合されたSOA(サービス指向アーキテクチャ)プラットフォームによりさまざまなリソースを統合し、ユーザーに使いやすいかたちで提供すること。そしてもうひとつは社内外のコラボレーションを促進するためのあらゆる手段を提供することです。

 JavaプラットフォームにはJavaベースのアプリケーション・サーバが誕生してから早い段階で取り組みはじめ、WebLogic製品群で通信、複合イベント処理等、さらに広い領域にまで Javaの世界を広げました。そうしたベースを築いたうえで、AquaLogicというSOAプラットフォームを開発。高信頼性、高性能、オープンスタンダードを兼ね備えたAquaLogicで、異機種間で真の統一環境を実現しました。私たちが常に心がけているのは、ユーザーの環境を問わずメリットを与えられるよう努力することです。そのためのJavaであり、それを推し進めるなかでたどり着いたのがSOAなのです。2006年には世界で最も統合された SOAプラットフォーム、BEA SOA 360°をリリースし、さまざまなリソースを手軽に使ってもらうための完全に統合された環境を実現しています。

 しかし、こうした技術を提供するだけではコラボレーション促進の一面しかお手伝いできません。より現実的なメリットを提供するために私たちは、BEA Enterprise360°というサービスを提唱しています。SOA360°プラットフォームに、それぞれの業種や業態に合わせたコンサルティングやベストプラクティスの提案を含めたトータルソリューションです。ROIなどの目標値を定めて定期的に改善策を提案するなど、SOAライフサイクルを回していくために必要な要素をすべて含んでいます。重要なことは、ビジネスニーズの変化に沿って、コラボレーションのレイヤーで組織のイノベーションを続けていくことです。

-コラボレーションを促進し、企業がビジネスで成功するために必要なサポートを点ではなく面で提供していくということですね。

 そうです。コラボレーション促進という観点では、最近はWeb2.0をビジネスに取り入れていくための製品にも力を入れています。今の若い人たちはWeb2.0が普及したなかで育ち、今後は生活でも会社でもWeb2.0を使うことが普通になるでしょう。各企業のみなさんもそこには気付いていますが、ガバナンスが確保されない仕組みはビジネスには取りいれられないと、二の足を踏んでいる状況です。私たちはID管理を組み込み、ガバナンスやスタンダードを付加したWeb2.0製品を提供しています。


ビジネスアプリのラストワンマイルに
人の創造力を取り入れる

【マネジメント】[BEA Systems CTO インタビュー] 今、ITは人とコラボレートする時代
BEA Systems, Inc.
エグゼクティブ・バイスプレジデント 兼 CTO
Rob Levy氏
-コラボレーションの重要性を強調していらっしゃいますが、「IT化=省力化」という単純な図式で語られる時代は終わったのでしょうか?

 IT業界ではここ30年、システムから人を追い出してきました。しかし今、ITは人とコラボレートする時代が来ていると感じています。これまでITが威力を発揮してきたのは単純作業の効率化でしたが、今後はよりクリエイティブな業務にもITが活用されていくでしょう。創造、発想、それらに基づいた改良は人間でなければできないことです。アイディアを試し、改良する、いわばビジネス・アプリケーションの最後のワンマイルにあたる部分に、人の創造力を取り入れる柔軟性をもたせること。これが、今後のビジネス・アプリケーションに求められるでしょう。

 こうした変化により、各企業のIT部門も大きな変革を求められることになるでしょう。これまでIT部門とは、社内の課題をITで解決するための部門でしたが、今後は人と人とのコラボレーションを促進し、人の創造性をITに反映するための柔軟性、拡張性を作るための部門へと進化するでしょう。言ってみれば、課題をひとつひとつ解決していく方法は、垂直型の課題解決でした。それに対してユーザーによる拡張を受け入れるためのプラットフォームを用意することで、ひとつのベストアイディアを水平展開し、水平に、全体を底上げするように課題を解決していくITシステムができあがります。

-ユーザーの想像力を受け入れる柔軟性を、BEAシステムズの製品がサポートしてくれるということですね。

 まさにそれこそ、弊社が提供するBPM(ビジネスプロセス管理)製品などの目標とするところです。現在のアプリケーションは、ビジネスニーズに基づくというよりは機能ごとに分類され、利用されています。SOAによりビジネスプロセスとアプリケーションを分離することで、ユーザーは機能ごとの分類を気にすることなく、必要な機能を組み合わせて活用できるようになるのです。一般従業員だけではなく、アーキテクト、開発者、業務担当者などがそれぞれの視点で各機能を再統合して利用でき、それぞれの環境において最大限のパフォーマンスを発揮します。

-最後に、今後の展開について少しお話を聞かせていただけますか?

 ITに限らず拡張とは、進化もしくは革新によって進められます。たとえば、AquaLogicやWebLogicの機能が洗練されていくのは進化による拡張、Web2.0のようにこれまでにないものを取り入れることで飛躍していくのは革新による拡張です。BEAシステムズは今後も、進化と革新を両軸として製品やソリューションを拡張し、ユーザーのビジネスを、そして人生にイノベーションをもたらすよう努力を続けていきます。

-ありがとうございました。

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