- 2009/08/06 掲載
「データセンター向けは2010年度に10倍以上」マイクロソフトがWindows Server 2008 R2の価格などを発表
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マイクロソフト サーバープラットフォームビジネス本部 業務執行役員 本部長 五十嵐 光喜氏 |
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Windows Server 2008からの強化ポイントは大きく分けて4つ。1つは256コア対応といった基本機能の強化、2つめはHyper-V 2.0による仮想化、3つめはファイル管理の新たな仕組み「FCI」搭載によるセキュリティ、最後がDirectAccessやBranchCacheといったテレワーク機能強化。
Windows Server 2008 R2で強化されたポイント |
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基本機能強化では、マルチコア対応のほか、CPU内のコア単位で利用を制御する「CoreParking」機能搭載や、「Windows Server 2008ではいくつかの機能で依然GUIが必要だった」点を改良したPowerShell 2.0の実装など。このCoreParking機能は、Hyper-Vでも有効だという。
Hyper-V 2.0ではLive Migration機能を実装。デスクトップ仮想化で有効なVDIと、リモートデスクトッププロトコルがRDP7.0へ機能強化された。
セキュリティ/コンプライアンス基盤としては、ファイルの分類管理、情報漏えい対策として、FCI(File Classification Infrastructure)機能を搭載。各ファイルにタグのようなものを付与して分類し、RMS(Rights Management Services)と連動して、持ち出し禁止制御などが行える仕組みを提供する。
また、VPN設定なしでWindows 7とセキュアなWAN接続を実現するDirectAccessや、拠点でファイルをキャッシュできるBranchCacheといったテレワーク向きの機能が実装されている。
さらに、五十嵐氏はWindows Server 2008 R2の販売戦略を合わせて発表。2013年までのx86サーバ出荷台数に占める仮想化製品出荷台数を、IDC Japanの予測の2倍にすると言及。そのためにもHyper-Vのエンジニアを1万人規模にするとした。
2つめの販売戦略として、現在Windows Server 2008の最上位モデルであるDatacenter Editionの成長率を3倍にすると発表した。2008年時点でも100%以上の伸びを示しているというが、それをさらに押し上げて、2009年には2倍、2010年には成長率を3倍に押し上げるという。単純計算では2008年出荷台数の10倍以上になる。これを実現できる理由として五十嵐氏は「Datacenter Editionは、CPUライセンス。無制限の仮想環境を構築できるが、それが市場に認知されていない」と指摘。さらに「以前はバンドルでデータセンターでの利用に限るなど、購入に制限があったが、それは既に取っ払われている。ただ、それもまた認知されていない」という。こうした点の普及啓蒙につとめることで「達成できる」という。
3つめの販売戦略は、中小向けサーバ施策。五十嵐氏は中小市場ではPCが95%ほど利用されているのに、サーバはわずか1.6%。ワールドワイドではこれが20%弱なのと比較すると「極めて少ない」水準にあると指摘。日本の中小企業は「ITを駆使する土壌ができていない」という。こうしたサーバ未導入の年間9万台の新市場を狙っていくとした。具体的な施策としては、キャンペーン的に展開していた「Windows Server 2008 R2 Foundation」を定番化すると発表。オンラインで100台限定のサーバ製品が10日間で売れるなど、「あまりにも引きが強かった」という。
Windows Server 2008 Foundationは、Windows Server 2008のうち、仮想化機能やServer Coreなどの一部の機能が使えず、同時接続ユーザー数が15人まで、認識できるRAM容量は最大8GBという制限を持つ中小規模向けサーバOS。主にDHCPなどのネットワークインフラやファイルサーバとしての利用を見込む。スタンドアロンでは提供されず、OEMハードウェアベンダーからのみ入手できる。富士通では既にFoudation搭載サーバ「PRIMERGY TX100 S1」などを発表しており、価格はハードウェア込みで7万9,800円と低価格に抑えられている。
価格は次の表の通り。
Windows Server 2008 R2の価格一覧 |
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![]() *Open Business(5ライセンス以上)ライセンスを新規に購入した場合の参考価格 *CAL=クライアントアクセスライセンス:サーバーにアクセスするユーザーもしくはデバイス毎に必要なライセンス *Windows Server 2008 R2は、Windows Server 2008 CALを利用可能 *Windows Server 2008 R2 DatacenterおよびWindows Server 2008 R2 for Itanium-based Systemsは、ボリューム ライセンスおよびOEMによるハードウェアへのプレインストール形態のみで提供される。 *Windows Server 2008 R2 Foundationは、OEMによるハードウェアへのプレインストール形態のみで提供される。 |
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