- 2009/03/16 掲載
米IBM、企業の水不足問題に対応した5つのソリューションなどを発表
IBMは、基礎研究所の数学者が開発した先端分析技術を使い、IBMの情報管理、テクノロジー・サービス、ビジネス・コンサルティング力なども併用することで、政府や水供給業者が効率的に水の監視や管理ができる、水管理ソリューションとして提供する。
提供されるサービスは大きく5つ。1つは「Natural Water Resources」と呼ばれ、センサーによって収集したデータを統合、分析、視覚化し、天然の水資源の水位、使用量、質の計測、モデリング、管理を可能にする。
2つめは「Water Utilities」。水供給事業が、投資利益率を最大化し、汚染問題や緊急事態などを予測し素早く対応できるよう、ビジネス・プロセスや業務効率に関する迅速な決定を可能にする。
3つめは「Water Infrastructure」。堤防監視や洪水管理など、水に関するインフラストラクチャーを管理するセンサー・システムを提供する。
4つめは「Water Metering」。関連する様々な利害関係者からの情報を統合し、水の需要と供給の管理を改善する。すべての利害関係者にリアルタイムの情報を提供し、その地域の水供給に関する重要な決定を下すために、共同作業ができるよう支援する。
5つめは「Green Sigma for Water」。水の使用場所を特定し、水の使用状況を計測・監視することで、水使用を削減するためのプロセス改善を作成するビジネス・コンサルティング・サービス。IBMで先行して行った実験では、水使用を30%削減することに成功したという。
さらに、水資源への取り組みとして、アイルランドのガルウェイ湾全域の波の状態、海洋生物、汚染レベルを監視するSmartBayセンサー・システムに関する成果を発表。IBMとアイルランドのマリーン・インスティテュートが開発した、アイルランド海事経済のステークホルダーにリアルタイムで情報を提供するシステムは、クラウド・コンピューティングのプラットフォームで稼動し、彼らにとって重要な水の状態を予測する。
また、官民レベルの水に関する問題を探究し、水の管理とデータ管理の関係に関する議論をまとめたレポートも発表した。
IBM Institute for Business Value(IBV)によれば、企業や政府が抱える水に関する課題がますます増加の傾向にあると指摘。100以上の企業や政府機関の役員などを対象とした調査によると、77%が自分たちの組織にとって水管理が“とても重要”と答え、また71%が今後5年間に水に関連するコストや複雑性が増大するだろうと答えたという。その一方、63%は現在直面している水問題に対応するためのシステムを持っていないと答えているという。
IBMではほかにも、The Nature Conservancy(TNC)と共同で河川流域管理のための実用的なWebベースのツールを開発したり、マルタ共和国とエンド・ツー・エンドの電力・水供給のためのスマートなユーティリティー・システムを開発したり、オランダのアムステルダムにGlobal Center of Excellence for WaterManagementを設立し、政府の、低地にある沿岸低地域や河川デルタ地帯などのためのより先進的な予測・保護システムの開発を支援したり、米国ニューヨーク州のBeacon Institute for Rivers and Estuariesと、テクノロジーを利用したハドソン川の監視・予測ネットワークを構築するなど、水処理に関する取り組みを実施している。
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