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綜合警備保障(ALSOK)といえば、昨夏、北京オリンピックで活躍したレスリングと柔道の有名選手が出演するテレビCMでもおなじみだろう。トレードマークである青と黄色のステッカーは、銀行のATM、マンション、コンビニ、病院や学校、オフィスなどなど、安全・信頼を保証するマークとして、いたる所で目にする機会がある。そんな身近の安全・安心を守るイメージの強いALSOKだが、実は会社のパソコンも守ってくれるのだ。
40万件の顧客企業のノウハウを生かす
「情報警備」サービス
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綜合警備保障(ALSOK)
開発企画部 ソリューション室
課長代理
安立光孝氏
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「ALSOKがパソコンのセキュリティも見てくれるの?」というのが、多くの人々の正直な感想かもしれない。しかし、中小企業の実態と、ALSOKの立ち位置を理解すると、この疑問が解けてくる。
「我々は40万件以上のお客様にご契約いただき、日々、お付き合いをさせていただいています。それだけに、中堅・中小企業の実態はよくわかっているつもりです。建物の警備や入退室管理のサービスを提供している我々に、オフィスの中のコンピュータに関するセキュリティについても、声をかけていただく機会が増えていったのです」(開発企画部ソリューション室 課長代理 安立光孝氏)
24時間365日「監視、分析、レポート作成」まで提供する
情報漏えい監視サービス「PC監視」
ALSOKで「情報警備」サービスのプロジェクトが立ち上がったのは2007年の8月。それから約1年の準備期間を経て、満を持して2008年6月にスタートしたのが「PC監視」である。これは、企業内のコンピュータの操作を24時間365日監視し、操作ログを収集・分析したうえで、レポート作成までを提供するサービスである。
契約したユーザーがやることは1つ。申し込み時にメールで案内された所定のWebサイトにアクセスし、「エージェント」と呼ばれるプログラムをダウンロードしてインストールするだけ。あとは、このエージェントがコンピュータの操作ログを自動的に記録し、ネットワークを通じてALSOKの情報警備監視センターに送信してくれる。
情報警備監視センターでは、収集されたデータをもとに、毎月の傾向、監視項目ごとの統計情報などをまとめて、生ログとともにユーザーにレポートとして提供してくれる。たとえば、USBメモリへのコピーであれば、日別、時間別、部署別、コンピュータ別、ユーザー別などの情報が表やグラフでまとめられ、簡単なアドバイス入りで提供されるのである(
図1)。
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図1 一般利用者のPC操作履歴などの情報は、ALSOK情報警備監視センターに送られる。この際、ファイル共有ソフトの利用など危険があれば、即日、管理者へ電話や緊急レポートを提供される。また、毎月お客様ごとにカスタマイズされたレポートも提供される。
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PC1台1,500円で、
何か問題が起これば電話での連絡も
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綜合警備保障(ALSOK)
ブロードマーケット営業部
課長代理
加藤隆章氏
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さらに、万が一何か緊急事態が発生した場合は、あらかじめ指定された電話番号に緊急の連絡が入り、緊急レポートの作成・提出も行われる。緊急事態とはファイル共有ソフトの起動及び外部記憶媒体へのコピーを想定している。「メールなんていつもチェックしているわけじゃないよ」という中小企業の経営者や担当者にとって、何かあったときに電話で連絡してくれるのは非常にうれしいサービスだ。
「中小企業の皆様に広くお使いいただくため、利用料金はコンピュータ1台あたり毎月1500円とさせていただきました。この金額でこれだけ充実しているサービスは他にはないと思います。24時間365日、何かあったときの電話でのご連絡は、ホームセキュリティなどを手がけるALSOKだからこそできるサービスです」(ブロードマーケット営業部課長代理加藤隆章氏)
「PC監視」で特に注目すべきポイントは3つある。1つはシンプルであるということ。利用者側に特別なスキルや知識は必要ない。ITの専門家を置く余裕のない中小企業にとって、これは非常に重要なことだろう。
もう1つは、「何も制限されない」ということだ。「PC監視」を利用しても、ノートPCの利用が制限されたり、USBメモリの使用が禁止されたりすることはない。ただ監視が行われ、何かあれば連絡が届くのである。ただし、その抑止効果は想像以上に高い。
最後は何より価格だろう。1台、月額1,500円という価格設定は、安価で非常にわかりやすい。
「実際に導入する際には、経営者様自らが従業員に説明を行い、十分に納得してもらって導入していただくケースが圧倒的に多いです。それによって、情報の持ち出しやパソコンの不適切な使用の抑止につながります。また、導入いただいた時点で、Winnyなどファイル共有ソフトの起動を検知してお知らせしたケースもありました」(安立氏)
「PC監視」に注目しているのはユーザーだけではない。実は本業であるITベンダーからの注目度も高いのだ。2009年1月からは、大塚商会でも「PC監視」の取り扱いを始めた。今後も、こうした動きが活発化することが予想される。
また、「PC監視」に続く新たな「情報警備」サービスのリリースも予定されている。その1つが「ネットワーク監視」だ。「PC監視」がクライアントPCの操作を監視するのに対し、「ネットワーク監視」は企業内ネットワークのパケットの動きを監視する。
「『PC監視』による見せる警備(抑止力)は、取引先との信頼関係構築につながり、会社と社員を守ることにつながります」(加藤氏)
「見せる情報警備」で
中小企業の情報資産をしっかりガード
ALSOKでは、入退室管理や資金搬送などの警備で「見せる警備」を心がけているという。たとえば、銀行のATMに資金を搬送する際には、一つ一つの動作を機敏にし、大きな掛け声をかける。それによって、いつ襲われても対応できるとともに、警備そのものを積極的にアピールすることで、犯罪を未然に防止しようとする考え方だ。
「情報警備」サービスに関しても、この考え方は共通している。パソコン操作やネットワークを監視し、従業員にそれを周知することで、情報漏えいを防止する。もちろん、張りぼての抑止力ではない。しっかりとした技術的な裏付けのある抑止力を実現するのである。
ALSOKと情報セキュリティと聞いて、ミスマッチな感覚を抱くのは、情報セキュリティ対策を、何か特別なことと考えているからかもしれない。しかし、「資産を守る」「安心・安全を確保する」という観点では、建物警備や入退室管理と情報セキュリティ対策には、何ら変わるところはない。したがって、ALSOKが提供するサービスに「情報警備」サービスが加わるのは、ごく当然のことだろう。中堅・中小企業にとっては、ありがたいサービスが1つ追加されたということだ。ぜひ積極的に活用したいものである。
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