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- 2009/01/16 掲載
【インタビュー】「DWHももはやミッションクリティカルな分野」--日本ネティーザ 湯本氏
DWH業界の新しい動き
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こうしたソフトウェアベンダーの多くが、汎用RDBMS(リレーショナルデータベース)も取り扱っており、バックエンドとミドルウェア、フロントエンドの統合が一段と進んでいる状況だ。
そうした中、DWHアプライアンスに特化することで活路を見出す企業がある。それが日本ネティーザだ。日本ネティーザのマーケティング本部 部長の湯本 敏久氏は、DWH業界に今大きく3つのトレンドが起きていると指摘する。
1つが、取り扱うデータ量の増大。テラバイト級のデータベースは当たり前の時代になりつつあり、「従来型のBIなどでは対応できないケースが出てきた(湯本氏)」。
2つめがデータの種類の多様化だ。POSデータなど、売り上げにひも付いた勘定系のデータに限らず、ログデータや履歴データ、Webクリックデータなどもその対象になってきているという。たとえば、ニューヨーク証券取引所(NYSE)では、インサイダー取引などをチェックする「Market Surveillance」などにも利用されているのだという。「インサイダー取引は、ある特定の取引のパターンを示すことがあり、それをチェックするのにネティーザのDWHアプライアンスが利用されている。
3つめが特定情報検索ではなく、分析的利用が増大しているということ。これは、素データをもとに傾向やパターン分析を実施するというもので、「今あるものを探し出し(検索)、報告する(レポーティング)だけでなく、将来何が起こるのか、起こりうるのかを検討する」のだという。
こうしたニーズは、ネティーザが提供する「DWH専用装置」という形にマッチすると湯本氏は語る。ネティーザのDWHアプライアンス「Netezza Performance Server(NPS)」は、「専用装置」であるがゆえに汎用RDBMSなどと違った高いパフォーマンスを実現できるからだ。
「NPSの強みは大きく3つあります。1つはパフォーマンス。これは最も力を入れているところで、非対称型超並列処理技術などにより、従来のDWHが抱えていたストレージとDB管理ソフトのデータ受け渡し時に発生するボトルネックが解消されています。汎用DBのサブセット化しているBIツールとは違い、フルテーブルスキャンを行っているのも大きな特徴でしょう。2つめはアプライアンスならではの簡易性で、iDC搬入後2日以内にデータロードを開始できます。3つめがTCOの削減です。DBではどうしても専門の管理者が必要ですが、NPSではそうした人員を割く必要がありません。」
また、ASP型での提供を目的として、アプライアンスをiDCに設置するといった活用方法を模索する動きもあるという。実際の事例では、医療系のレセプト情報などをNPSのデータベースに持ち、ネットワークを通じてASPとしてDWHとしての機能を提供する仕組みなのだという。
「DWHももはやミッションクリティカルな分野となりつつあります。たとえ、POSデータの分析であっても、もしサービスが停止してしまえば、機会損失をこうむることになります。どんな人でも検索エンジンなど『あって当たり前』のサービスがなくなれば不自由を感じるはずです。『今を維持する』ためのIT投資は欠かせないものになりつつあるのです」
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