- 2008/12/09 掲載
「ミドルマーケットのSAPを目指す」ネットスイート、日本環境に特化したSaaS型ERPを10万円弱から提供
最大の特徴は「見積もり、注文、発送手配、請求、顧客サポートまで、1つのアプリケーションでシームレスな処理ができること(米NetSuite CEO ザック・ネルソン氏)」。これにより、特化型SaaS製品よりもコスト削減効果が高いという。ネルソン氏は、例としてグローバルに展開する製造業のAsahiKASEIの事例を挙げる。AsahiKASEIは、当初SAP利用を検討しており、その際のシステムコストは対売り上げ比で3%だった。しかし、NetSuiteを採用することで、売り上げの0.1%にまで、つまり1/30に削減できたという。
さらにネルソン氏は、生産性の向上の面も指摘。1つのアプリケーションで業務を一元的に管理するため、皆が同じアプリケーションを利用することになる。そのため、急な部署移動でもトレーニングコストが発生しない。また、シームレスなシステム設計のため、データ連携を手作業で行ったりする手間がない。さらに、追加のコストなしでビジネスインテリジェンス機能を利用できるため、可視化による生産性の向上も見込める。先のAsahiKASEIの事例では、従来システムに携わるユーザーが190名だったのが、75名に削減でき、115名のメンバーは他の業務で活躍しているのだという。
NetSuite-Release Jの価格は、ターゲットは、100名程度のミドルマーケット。ネルソン氏は「日米両国に言えるが、ハイエンドとローエンドには大きな溝がある」と指摘する。SAPやOracleのERPを利用する大企業と、弥生を使っている小規模事業者の間を埋めるサービスとして「ミドルマーケットのSAPを目指す」。
販売チャネルとしては、米国でデータセンター業務、NetSuiteの販売などでHPと初の合意。日本でも富士通とパートナーシップを締結するなど「古くからのSIerが既存の顧客をオンデマンドに変えている」という。
NetSuiteは、米国で大きなシェアを持つSaaSベンダーだが、日本での導入は「現在50社程度(ネットスイート 代表取締役社長 東 貴彦氏)」と苦戦している。ただ、それには「日本独自の商慣習に適用できていなかった(ネルソン氏)」と自社の問題点を認めた上で、今後、「明確な目標は言えないが、500社程度の導入目標をザック(ネルソン氏)から言われるだろうと思う。それを努力目標としてやっていく(東氏)」。
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