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- 2008/10/02 掲載
「間接材購買の在り方が大きく変わる」――ソフトバンクBBが間接材購買サービスPurchaseOne提供開始
ディストリビューターとしての強みを生かした間接材購買サービス
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米谷氏■私どもソフトバンクBBは、1981年に日本ソフトバンクという会社でスタートし、もともとIT商材、IT関係のハードウェア、ソフトウェア、サービスの卸業務を主要な事業として行ってまいりました。
IT業界には、システムインテグレータやリセラー、ソリューションプロバイダといわれるような、エンドユーザーにあたる一般企業に対してハードウェアやソフトウェア、システム開発、システム関係のサービスなどをお届けする企業があります。
従来ユーザー企業は、各メーカーに直接取引の交渉を行って、それぞれバラバラにIT商材の調達をしていました。そのなかで私どもは、サーバ、パソコン、周辺機器、ソフトウェア、サービスなどの商材を各メーカーから一括調達して、IT関係のビジネスをされている企業に卸していくというビジネスを始めました。これが、ディストリビューションといわれている仕事です。この仕事をもう25年以上にわたって行っております。
ディストリビューションという仕事においては、販売先に対して「仕切条件」という取引条件で、定価の何掛けで卸させていただくかということについてはあらかじめ決めておきますけれども、多くの商材は、「パソコン10台まとめて買いたいんだけどもいくらになる?」というように、その都度見積もりを依頼されることがほとんどのビジネスなのです。
ですから、私どもはもう25年以上にわたってお客様のご依頼によって、商品の見積もりをする、納期をメーカーに問い合わせてご回答申し上げるというビジネスを、主要な事業として長らく行ってまいりました。
現在は、ソフトバンクBBのなかのコマース&サービス統括という部隊がこの仕事を引き継いでおりまして、約1000名の従業員でこのディストリビューションビジネスを進めております。
――ディストリビューションビジネスを主要な事業として行っていらした御社で、どのように間接材購買サービスの土台が築かれてきたのでしょうか。
米谷氏■このようにお得意様にシステムを開発する企業さんがいらっしゃるものですから、そういった企業さんがあるシステムインテグレーションで、たとえば200人がかりで2年間で開発しなければならない銀行のプロジェクトをお受けになったときなどには、メンバーを集めてプロジェクトルームを作ることになります。それに関連する調達として、サーバをこれだけもってきてほしいとか、クライアントPCをこれだけもってきてほしい、それを動かすためのソフトウェアをこれだけもってきてほしいというようなご要望がありますと、それらについても私どもが調達してお届けしております。
そういうプロジェクトルームのなかには、たとえば、ホワイトボードもほしいだとか、そうだ冷蔵庫もいるねだとか、扇風機もほしいだとか、あるいはいろいろな事務用品もあわせて持ってきてほしいだとかいうようなご要望がでてきます。そこで、それぞれに調達するよりはどうせならソフトバンクでまとめて持ってきてもらえると有り難いんだけどというご相談をうけて、じわじわと商材を広げてまいりました。このように、もともとIT商材でやってきた業務の範囲を、IT商材以外の、企業に必要とされるいろいろな商品に広げてきているというのが実態です。すでに仕入れ先のサプライヤーさん4000社とお取引があり、アイテム数にして34万点の商品を取り扱っております。
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米谷氏■現在、直接財といわれる、本業にかかわるような分野のコスト削減や集中購買はかなり進めていらっしゃいます。そこが一巡して、今、さらなるコストダウンということで、間接財の領域についても手がけたいというようなお話があります。ところが、間接財の領域というのは、直接財に比べて、調達額が少なかったり、コストの削減幅が小さかったりということがございまして、なかなかコストをかけて着手することができない企業さんも多いという実情がございます。
世の中にはいろいろなサービスがありまして、システム的にもそれに対応するものがあったり、あるいは業務アウトソーシングというかたちのサービスがあったりしますが、いずれのものもオールインワンにはなっておらず、企業さん独自でそういうものを集めて1つの仕組みにしなくてはならないということになっています。それから、それぞれ結構な費用が必要だったりしますので、かなり規模の大きなお客さまでないとそれを利用する価値がないということで、ニーズもあるしやりたいんだけどもそれだけのお金がだせないと二の足を踏んでらっしゃる企業さんが数多くあるということがわかりました。
私どものお取引先のなかでも、ソフトバンクBBにご期待をいただいて、いろいろなものが調達できるんだから、ぜひあなたたちの力で私たちの間接材購買についても力になってよというお言葉もいただいておりました。私どものできる分野、得意な分野というのは、リーズナブルな価格で、お客様が求めているものを調達してくるということです。そういう調達のサービスをご提供するということができるのが、ソフトバンクBBならではのビジネスではないかなと思いまして、昨年末から研究、検討を行い、ようやくパイロットユーザーさんでもご利用がスタートしたものですから、世の中に広くオープンにすることでこれからもっと数多くのお客さまにご活用いただき、より良いサービスにして、より大きな効果を享受いただきたいと思い発表いたしました。
――そうすると、御社ならではの訴求ポイントは?
米谷氏■私どもの得意分野は、お客さまからの見積もり依頼にもとづいて、いろいろな調達先との調整をして、見積もりをお返しする、納期をご返答する、納期を調整してお客さまの求めている期日にお届けするという分野です。そして、それらをローコストで運用できているということが、私どもの強みであります。
また、私どものグループ会社のなかにディーコープという企業がございます。ディーコープは、2001年から企業の共同購買、集中購買をご支援するための見積もりサービスを始めております。
私どもソフトバンクグループのなかでも、こうしたディーコープの提供する見積もりサービスを活用して、利用開始から3年間で250億円のコスト削減を実現したのです。続けて、より少額の分野ということで間接材を中心とした物品の購入においてもこの仕組みを利用しまして、次の半年間で50億円のコスト削減を可能にいたしました。ですから、そういう物品調達の分野のなかで、ロングテールの低額商品というものも含めて調達することで、多くのコスト削減を実証してきたのです。
今回のPurchaseOneでは、既存のソフトバンクグループのお取引先はもとより、このディーコープの見積もりシステムにご登録いただいているサプライヤー企業、すでに7000社ほど登録されていらっしゃいますけれども、こういった企業さんにも見積もり依頼をして、広く調達の範囲を広げていこうと考えております。
これまでにも、見積もりの業務アウトソーシングサービスというものはありましたが、物販で見積もり品を多岐にわたって扱うということがなかなか難しかったのは、見積もりや問い合わせという複雑で煩わしい業務によほど慣れていないと、効率があがらずコストがかかってしまうからでしょう。それをまかなえるような手厚いマージンを頂戴できる分野でもありませんから、こういう分野に非常に慣れていて、ローコストでオペレーションができる会社でないと参入できなかったのだと思うのです。
私どもは、これらを創業以来25年以上にわたって主要な事業としてやってまいりました。しかも、サーバやパソコンといった非常にマージンの薄いIT商材の分野でやってきましたので、すでにこのような業務オペレーションをローコストで行うことについて事業が確立されているのです。
ですから、その確立された事業のコアコンピタンスを生かして、間接材という新たな分野に取り組むということになります。とはいっても、今まで表には出ていませんでしたが、間接材の商材分野でもすでにかなり私どもで取り扱っているものがございまして、もともとIT業界の裏方としてやっていたことを、今回広く一般の企業さんに対してご提供することになったということなのです。
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