- 会員限定
- 2008/10/01 掲載
【中堅中小企業向け】ビジネスプリンタを導入する前に知っておきたいこと
中堅中小企業向けビジネスプリンタを考える(1)
ビジネスプリンタを導入するときに重要なのは、最初にオフィスの印刷ニーズをしっかり整理しておくことだ。基本的なところでは、カラー印刷の必要性、日々の印刷枚数、オフィス内の設置スペースなどが挙げられる。さらに、FAXやスキャナのニーズがあるならば、複合機も視野に入るだろう。プリンタでも複合機でも、ネットワークインタフェースの搭載は必須だ。ビジネスプリンタは、オフィスのIT機器でも比較的長く使い続けるものなので、業務にマッチした製品を慎重に見極めたい。製品スペックの読み方を交えつつ、製品選択で押さえておきたいポイントを述べていこう。
カラー印刷の仕組みにはいろいろなものがあるが、オフィス向けではレーザー方式(もしくはLED方式)が大半を占める。レーザー方式は、カラーやブラックのトナーを熱して用紙に定着させる仕組みで、コピー機と同じだ。個人向けのインクジェットプリンタと比較して、特に文字の印刷品質や、トータル的な印刷速度に優れている。
レーザー方式のカラープリンタは、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(KまたはBk)の4色トナーを使う。さらに、4色トナーを用紙にまとめて定着させる「タンデム方式(図1)」と、1色ずつ定着させる「4サイクル方式(図2)」に分かれる。
図1 4サイクル方式 |
---|
![]() |
図2 タンデム方式 |
---|
![]() |
一般的な特徴としては、タンデム方式のメリットはカラー印刷が高速なことで、カラー印刷とモノクロ印刷の速度が同じである場合が多い。デメリットは、本体サイズが大きくなりがちな点(おもに底面積が大きくなる)と、価格が高価になりがちな点だ。なお、印刷速度の単位は「ppm」(page per minite)や「枚/秒」で示す。
一方の4サイクル方式は、比較的低コストでモノクロ印刷が高速である点がメリットだ。カラー印刷は4色トナーを1色ずつ定着させるため、通常はモノクロ印刷の4分の1の速度となる。構造上、本体内部にトナーの回転機構が組み込まれるので、本体サイズの高さが大きくなる傾向がある。
オフィスの設置スペースを除外して考えると、カラー印刷の速度を求めるならタンデム方式の製品、コストやモノクロ印刷の速度を重視するなら4サイクル方式の製品が適していると考えてよい。もちろん、タンデム方式でもモノクロ印刷が高速な製品や、4サイクル方式でもカラー印刷が高速な製品もある。
また、トナーや感光ドラムといった消耗品を交換する際の、メンテナンス性もチェックしたい。メンテナンスは保守契約のケースも多いと思うが、トナーや感光ドラムを量販店などで購入して自力で交換すれば、保守コストを削減できる(プリンタ製品によっては、消耗品を量販店などで購入できない場合もある)。交換作業は素人でもそれほど難しくない。その際、プリンタ本体の前面または上面から、すべての作業を行えると扱いやすい。こうした製品は「フルフロントオペレーション」などと呼ばれる。
≫重要性が高まっているセキュリティ機能

関連コンテンツ
PR
PR
PR