- 2008/07/03 掲載
Wi-Fi Alliance、無線LANを利用した携帯端末向けVoIP認定プログラムを開始
この認定プログラムは、無線LANに対応した携帯端末の普及やホットスポットの拡張などに伴って、「音声アプリケーションが非常に重要になってきた」ことを背景に規定された。昨今複数デバイスが利用されるようになったこと、データや動画、オーディオなど多種の帯域幅が競合していること、さらに「データ通信は速度にムラがあっても成り立つが、音声が劣化してはコミュニケーションが成り立たない(Wi-Fi Alliance ケリー・ディヴィス・フェルナー氏)」ことなどにより、こうした規定が必要になるという。
具体的には、802.11 a/b/g/n draft2.0との相互接続性、WPA2(Wi-Fi Protected Access 2)によるセキュリティの確保、Wi-Fi/携帯混在環境におけるRF(無線周波数)のパフォーマンス(パケットロスが1%未満など)、WMM QoSによる音声ストリームの優先付け、WMM Power Saveによるバッテリ消費などに関してテストされることになる。
QoSやバッテリ消費については、IEEE802.11eでも規定されているが、「IEEE802.11eはさまざまな規定を盛り込み過ぎたため、サブセットが必要になった」のだという。今回の規定は家庭やSOHO、個人利用を想定したものだが、2009年には企業向けの「Wi-Fi CERTIFIED Voice-Enterprise」が規定される予定。さらに細かく優先付けを分類するWMM Admission Control QoSや無線リソース管理(802.11k)、高速ローミング(802.11r)などが盛り込まれるという。
さらに現在ドラフト状態の802.11n(高速無線通信)についても言及。正式批准は2009年7月を予定しているが、ドラフトからの変更点については「ハードウェアの変更が必要になる可能性は低い」として、ソフトウェアのファームアップデートで対応できる程度の変更に収まる見通しを述べた。
今後Wi-Fi Allianceでは、メッシュネットワーク(802.11s)やWPA2のさらなる拡張、Wi-Fi Protected Setupの拡張などを検討していく予定。
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