創業10周年のサイボウズ、新たな事業戦略を発表

　まず、「2大ブランド化」戦略では、サイボウズの製品を中小企業の現場担当者向けの「かんたんシリーズ」と、中堅・大企業の情報システム担当者向けの「ガルーンシリーズ」のカテゴリーに分けて提案する。これにより、同社は、ユーザーに製品導入の際の利便性を提供することを目指す。

　一方、「リレーション・マーケティング」では、顧客との関係をさらに強化するため、電話でのフォローやユーザー会の開催など様々な支援を行っていく。具体的には、創業10周年を記念し、既存ユーザーを対象に10万円前後の「かんたんシリーズ」の製品を抽選で88本限定で、1本8,080円で販売する予定。また、2003年7月に発売した「サイボウズOffice6」の後継バージョンを開発中で、「お客様に安心して使い続けていただく」ことをテーマに改良を進めているとのことだ。

　なお、サイボウズグループの研究開発会社、サイボウズ・ラボはアクセスログ共有サービス「Pathtraq」を発表した。本日からサービスを開始する。新サービスは、(1)利用者の閲覧記録をもとにニュースやブログなど、特定のドメインにこだわらないサイト横断ランキング、(2)任意のURLで検索したページやサイトのトラッキング分析機能が特徴となっている。

　会見に出席した青野慶久社長は、記者からの「売上高100億円を達成し、景色が違って見えるか」という質問に対し、「この10年間で、一度減収減益となったこともあるが一歩ずつ進んできた。同時期に創業した楽天などは、企業規模がはるかに大きく成長している。まだまだ、景色が変わって見える段階には至っていない」とさらなる事業拡大に意欲を見せた。