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- 2007/08/30 掲載
【連載】ITILとは(2):ISO化とJIS Q 20000の制定
ITILはITサービスマネジメントの“規格”ではない。ITサービスマネジメント規格としてはBS15000がBSI(British Standard Institute:英国規格協会)により2000年に制定された。BS15000はITILを基に制定され、2003年にはitSMFからBS15000認証スキームが発表されている。BS15000認証はISO9000認証と同様に品質管理基準である。つまり、BS15000は「ITサービスマネジメントにおける品質管理基準」ということになる。
その後BS15000は国際規格への道をたどる。ISO(International Organization for Standardization :国際標準化機構)は2004年に国際規格化に向けて事前調査を開始、その結果ISO化が承認され、2005年12月に国際規格のISO20000として制定された。国内ではISO20000の制定を受けて、JIS化が進められ2007年4月にJIS Q 20000が制定された。国際規格としての確立と共に、今後はISO20000の組織認証への普及に弾みがつくだろう。
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ITILとJIS Q 20000の関係
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──個人認証への道
ITILには「ITILファンデーション」「ITILプラクティショナー」「ITILマネージャ(マスター)」と呼ばれる3種類の認定がある。これらは、個人に対するITサービスマネジメントの資格試験だ。「EXIN(蘭)」(*4)と「ISEB(英)」(*5)の2団体によって認定スキームが運営されている。
EXIN社の統計資料では、ワールドワイドでITILファンデーション資格取得者は25万人以上、国内においては2万5000人以上にのぼる。しかしその一方で、国内のITILマネージャは100名程度にとどまっている。ITILマネージャ試験は「サービス サポート」試験と「サービス デリバリー」試験の合計で6時間という長丁場に加えて、記述式試験であることが取得者増加の障壁になっているようだ。2006年には日本語の受験体制が整備されたので、今後も資格者増が期待されるところである。
【次ページ】日本発ITILベストプラクティスに向けて
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