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- 2024/07/22 掲載
1位は東京大学、2位は? 大学発ベンチャー「過去最高」を支えた大学リスト
大学発ベンチャーとは
そもそも、大学発ベンチャーとはどういうものなのか。なんとなく、若い学生たちが新しいことをやるために立ち上げた元気のある集まり、というイメージをもたれるかもしれない。経済産業省は、次のような6つの類型に整理し、最低でもどれか1つの条件を満たしている企業を「大学発ベンチャー」と定義している。
- (1)研究成果ベンチャー
大学で達成された研究成果に基づく特許や新たな技術・ビジネス手法を事業化する目的で新規に設立される。 - (2)共同研究ベンチャー
創業者の持つ技術やノウハウを事業化するために、設立5年以内に大学と共同研究等を行っている。 - (3)技術移転ベンチャー
既存事業を維持・発展させるため、設立5年以内に大学から技術移転等を受けている。 - (4)学生ベンチャー
大学と深い関連がある学生が設立などに関係している。 - (5)教職員等ベンチャー
大学と深い関連のある教職員等(教職員・研究職員・ポスドク)が携わっている。 - (6)関連ベンチャー
上記5つの類型には必ずしも当てはまらないものの、大学からの出資があるなど、大学と深い関連性がある。
日本の論文数の低下と政府の抱える危機感
2023年度調査で確認された大学発ベンチャーは4288社(2023年10月末現在)に上る。前年度(3782社)から506社増え、企業数も増加数も過去最高の水準だ。なお2014年度以降、企業数は毎年増加傾向にあり、2023年だけを見ると、大学発ベンチャーは253社の設置が確認されている。政府はこうした調査を通じて、大学発ベンチャーの活性化を制度的に後押ししようとしている。
背景には、大学研究の分野に関して政府が抱いている危機意識がある。日本ではほかのライバル国と比較して研究に十分な予算をかけられず、ベンチャー起業によって外部調達せざるを得ない現状があるのだ。
文科省科学技術・学術政策研究所の調査によると、主要国の自然科学系における論文数において、20年前(1997~1999年の平均)の日本は2位だったが、直近(2017~2019年の平均)は4位に低下。また、ほかの論文からの被引用数が高い「Top10%補正論文」は、20年前の4位から、直近は10位に沈んでいる。
論文数や被引用数の減少は、研究によって新しいものを発見し、生み出す力そのものが低下していることを意味している。文科省調査では論文数減少の背景要因として、教員数・博士課程在籍者数の停滞や、教員が研究時間を確保できないこと、そして研究費の低下などがあると分析する。
研究の現場からは以前から、資金、人材、時間というリソースの不足を訴える声が上がっていた。大学教員などの実態を調べるために5年に1度行われている「大学等におけるフルタイム換算データに関する調査」の2018年度調査によると、研究パフォーマンスを高める制約として、最も多く回答されたのは研究時間(76.4%)で、研究資金(56.1%)、研究人材(48.7%)、研究環境(40.5%)と続いている。 【次ページ】大学発ベンチャー企業数ランキング、1位は東大、2位は…?
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