- 2007/08/02 掲載
【オーバーチュア山中氏インタビュー】既存メディアとネットとの融合が重要
さらにユーザーを引き込みやすくなる
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オーバーチュア株式会社 シニアディレクター マーケティング 山中理惠氏 |
--今年5月からスポンサードサーチが新しくなったということですが、どのような点が変わったのでしょう?
山中氏■日本では現在移行を進めている最中ですが、一番大きな違いは、表示される広告がより一層ユーザーが知りたい情報と親和性の高いものになったということですね。従来のスポンサードサーチでは入札金額の多寡で表示される順位が決まっていましたが、新スポンサードサーチでは飛び先となるウェブページとキーワードの関連性も評価されるようになりました。米国では、ユーザーが求める情報に近い広告ほど上位に表示されるため、クリック率も大きく上昇したという結果が出ています。
また、新スポンサードサーチでは、どのような広告(タイトルと説明文)を書けばさらにクリック率が高くなるか、システム側が提案してくれるような機能も持っています。
--今後はどのような展開を考えていますか?
山中氏■今のところスポンサードサーチはテキストだけですが、今後は画像や動画も配信するようになるかもしれません。また、配信先も現在はパソコンと携帯電話に限られますが、将来的には(インターネットに接続できる)テレビや携帯オーディオプレイヤーなどにも配信する可能性がありますね。新しくなったスポンサードサーチは、単なる広告商品ではなく、こうした新しいビジョンを実現するためのプラットフォームでもあるのです。
--ネット広告においては、広告代理店の役割も変化していくのでしょうか?
山中氏■日本でも米国でも、大手広告代理店と、企業内あるいは専属のインハウス広告代理店を使い分ける企業が増えています。大手広告代理店は全体的な広告戦略を立てるのに長けていますが、企業独自の業務や他社との差別化要因まではフォローしきれないことがあります。逆に、インハウス広告代理店だと、細かな特徴にも追随できるでしょう。
例えば、小売りサイトではすべての商品について検索連動型広告を出したいところですが、商品ごとに適正在庫率は異なります。在庫のない商品の広告をいくら出しても意味がないわけです。そこで、企業の基幹システムと連携し、在庫のある商品についての広告は積極的に出し、在庫がないものについては広告も出さないようにするといった連動が必要となるでしょう。すでにそうした取り組みを始めている企業もあります。
--最後に、企業はネットをどう利用すべきかアドバイスをいただけますか?
山中氏■インターネット、特に検索エンジンを利用したマーケティングは多くの企業にとってまだ新しい領域ですが、米国・日本の状況でもインターネットマーケティングの力は増大しています。しかし、これはテレビ広告を減らしてネット広告を打つべきということではありません。全体的なマーケティング予算の中で、インターネット、中でも検索関連(検索連動型広告やSEO等)の比率が適正かどうかをお考えいただきたいということです。
現在、ほとんどの日本企業において、マーケティング予算のうち検索関連の割合は1%以下ですが、これを1.5%や2%にしてみてください。ブログマーケティングや企業ブログの立ち上げを行うだけでなく、検索にも投資を行うことで大きな費用対効果を期待できます。マーケティング全体のデザインという観点から、予算配分をお考えいただければと思います。
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