- 2007/02/22 掲載
【連載】Windows VistaとはどのようなOSなのか?第2回/全5回:Vistaの新機能(上)(2/2)
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図5 追加するガジェットを選択するガジェットピッカー
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ガジェットは、自分で作ったものやインターネットからダウンロードしたものなどを自由に作成しデスクトップへ組み込むことが可能だ。設定情報や各種イベント、マシンの情報を取得するオブジェクトモデルなどが提供されており、HTML/JavaScript/XMLの知識があれば開発可能である。
なお、ガジェットと呼ぶミニアプリケーションはサイドバーガジェットのほかにも、Live.comのWebサイトに組み込むことができるLiveガジェットと、Windows SideShowと呼ぶ補助ディスプレイに対して情報を表示するためのSideShowガジェットの合わせて3種類存在する。
XPSドキュメント(.xpsファイル)は、XML Paper Specificationと呼ばれる仕様にもとづいたXMLベースのドキュメントで、文書の印刷や保存のために利用される。XPSドキュメントはZIP形式で書庫化されており、レイアウトや色の情報を保持しているため、ディスプレイ上でも印刷時でもズレがなく描画・印刷される。
また、Windows Vista上で実行する任意のプログラムから印刷を通じてXPSを作成することが可能である。XPSドキュメントを参照するには、XPSビューアが必要だが、VistaにはXPSビューアが含まれておりInternet Explorerと連携して動作する。なお、このXPS形式に対応したプリンタでは、XPS形式のまま読み込み、より正確なイメージで印刷できるようになるだろう。
Windows XPでは、ユーザーの簡易切り替え(FUS:Fast User Switching)がサポートされている。これは、1台のPCを複数ユーザーで使用している家庭ではとくに便利な機能で、ユーザーがコンピュータからログオフせず、別のユーザーにアカウントを切り替えることが可能である。ただし、ドメインに参加しているPCではこの機能が利用できなかった。
Windows Vistaでは、FUSは、ドメインに参加しているコンピュータを含むすべてのバージョンで使用可能となった。ユーザーアカウントを切り替えながらの作業の生産性が向上した。複数のドメインユーザーアカウントを持つシステム管理者にとって自身の作業を支援する機能といえる。
なお、FUSでは別アカウントに切り替わった際もそのアカウントはログイン状態になっているため、開発者はアプリケーションやインストーラに対してFUSを認識し、複数のログインユーザーのセッションやターミナルサービスでの利用シナリオに対応する必要がある。
Windows Vistaは、クライアントOSのためパフォーマンスの向上は主にユーザー操作におけるレスポンス向上を中心に考えられている。
新しいメモリ管理のWindows SuperFetch、ハードディスクへのI/Oボトルネックに対する解決策のWindows ReadyDriveとWindows ReadyBoost、ファイルI/Oの優先度をアプリケーションごとに設定するロープライオリティI/O(Low Priority I/O)が代表格だ。
次回はこれらの点について解説しよう。
マイクロソフト
システムテクノロジー統括本部
エバンジェリスト
第1回 | 【連載】Windows VistaとはどのようなOSなのか?(1)Windows Vistaが提供する新基準 |
第2回 | 【連載】Windows VistaとはどのようなOSなのか?(2)Windows Vistaの新機能(上) |
第3回 | 【連載】Windows VistaとはどのようなOSなのか?(3)Windows Vistaの新機能(中) |
第4回(3/8) | 【連載】Windows VistaとはどのようなOSなのか?(4)Windows Vistaの新機能(下) |
第5回(3/15) | 【連載】Windows VistaとはどのようなOSなのか?(5)Windows Vistaのセキュリティ |
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本記事は、2月17日発売のC MAGAZINE MOOK「最新 Windows Vistaプログラミング徹底理解」から一部を転載したものです。より深くWindows Vistaを知りたい場合はこちらよりムックをご購入ください。 |
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