• 2006/11/07 掲載

【スパム送信国ワースト12発表】第1位は?、日本は何位?(2/2)

英語圏のPCを狙ったワームの大規模感染により、アメリカが他国を大きく引き離してトップに

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 法人向けセキュリティ対策大手のソフォスは、2006年第3四半期(7~9月)のスパム最多送信国ワースト12に関する最新レポートを発表した。世界各地に展開する脅威解析センター、SophosLabsのリサーチャーが、上記期間に受信した全スパムを分析した結果、アメリカがチャートの1位にあがっている。

 2005年第4四半期以来、2位の中国は僅差でアメリカに迫っていたが、2006年第3四半期にはその差が再び広がった。これはStratioワームが蔓延した影響と思われる。StratioワームはWarezovとも呼ばれ、短期間で300種類以上もの亜種が出現しており、英語圏のPCユーザーをターゲットにしてスパムボットネットを構築している。

 スパム送信国ワースト12は以下のとおり。

スパム送信国
ワースト12
1位アメリカ 21.6%
2位中国 13.4%
3位フランス 6.3%
3位韓国 6.3%
5位スペイン 5.8%
6位ポーランド 4.8%
7位ブラジル 4.7%
8位イタリア 4.3%
9位ドイツ 3.0%
10位台湾 2.0%
11位イスラエル 1.8%
12位日本 1.7%


 現在、不要なメールはほとんどがゾンビPCと呼ばれる、ハッカーに操られたコンピューターから送られている。以前、ハッカーはパソコンをゾンビ化するためにOSの脆弱性を利用していた。しかし、現在ではトロイの木馬やワーム、ウイルスなどのマルウェア(悪意のあるプログラム)によって、他人のパソコンに不正に侵入するためのバックドアを秘密裏に開き、ハイジャックする手法にかわっている。Stratioワームの数百以上に及ぶ亜種の出現と大規模感染は、それを顕著に表すものである。

 その他の大きな動きとしては、中国からの送信比率の大幅な減少があげられる。中国は第2四半期にはスパム全体の20.0%と4分の1に迫る勢いだったが、第3四半期には13.4%と、7%近く比率を下げた。その他には、イギリスが順位を13位に下げる一方、イスラエルが11位にランクインしている。スパムの手口としては、ユーザーとアンチスパムソフトの両方を騙すための新しい手法が出現した。

◆ポンプ&ダンプ詐欺(偽情報による株価操作詐欺)で、イメージスパムが増加
 ポンプ&ダンプ詐欺は、スパマーが配信する偽情報で株価を不当に吊り上げ、最高値に達した時点で一気に売り抜けて利益を得る詐欺。最近ではこれらのスパムメールにおいて、アンチスパムソフトにより駆除されることを避けるため、イメージスパム(テキストではなく画像でメッセージを表示するスパム)の使用が目立っている。ポンプ&ダンプ詐欺では、不当に高値で株を売却するスパマー自身の儲けとなるだけでなく、より大きな犯罪組織につながっていることがある。

◆新手のハーべスティング手法(スパム送信のための宛先リストの作成手法)が出現
 ソフォスの調査では、スパム目的のためにメールアドレスを収集するハーべスティングに新しい手法が出現していることが確認されている。ある例では、偽の研究調査に協力を求める形でチェーンメールの転送をユーザーに促す。別の例では動画提供サイトを装い「最後まで表示するためにはユーザー登録が必要です」などと称してメールアドレスの入力を促す。

 スパムによる詐欺被害を防止するためにはウイルス対策、スパム対策が有効だが、スパマーもこれらを回避するための新しい手段を常に開発している。スパマーの検挙や実刑判決が続いているにも関わらずスパムは増える一方。しかし、ユーザーがセキュリティ意識を高め、ポリシーに従って行動することにより、被害は防ぐことはできる。

◆スパマーへの法規制の効果
 2006年第3四半期にはスパマーに大きな影響を与える法的な動きがいくつかあった。
 9月にはAustralian Communications and Media Authority(ACMA:オーストラリア通信・メディア局)が、バイアグラなどを売り込むスパムを20億通以上配信したとしてスパム送信業者に対する調査を開始した。10月下旬には同業者に対し、莫大な罰金刑が言い渡されている。
 アメリカでは、未成年にギャンブルやアルコール飲料に関するスパムを送信したとして2社が起訴されている。

 その他、アメリカノースカロライナ州ではWilliam Bailey, Jrが告発されている。Baileyは米国内科医師会(American College of Physicians)のおよそ8万人の個人情報を不正に入手して販売したとして、禁固55年および罰金275万ドルが科せられる可能性がある。

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