• 2006/06/16 掲載

ビルゲイツ、一線から退く

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マイクロソフト コーポレーションは、米国時間6月15日、同社会長であるビル ゲイツが、2008年7月をもって経営の第一線から離れ、その後はビル アンド メリンダ ゲイツ財団での活動を中心に世界の健康と教育の課題に取り組む予定であることを発表した。
ビル ゲイツ  マイクロソフト コーポレーションは、米国時間6月15日、同社会長であるビル ゲイツが、2008年7月をもって経営の第一線から離れ、その後はビル アンド メリンダ ゲイツ財団での活動を中心に世界の健康と教育の課題に取り組む予定であることを発表した。また、現在、ゲイツが担っている日常業務をスムーズかつ確実に引き継ぐため2年間の移行期間を設けること、ならびに2008年以降も、ゲイツはマイクロソフトの会長兼相談役として主要な開発プロジェクトの指導にあたることを明らかにした。

 マイクロソフトはまた、最高技術責任者であるレイ オジーが直ちにチーフ ソフトウェア アーキテクトの職位を引き継ぎ、すべてのテクニカル アーキテクチャや製品開発をゲイツとともに監督しながら、職務のスムーズな移行をはかることも明らかにした。この異動に伴い、最高技術責任者であるクレイグ マンディは、新たに設けられた最高研究戦略責任者の職務に就き、ゲイツとの密接な協力のもとに、マイクロソフトの研究活動や新技術の育成を推進することになる。マンディはまた、ゼネラル カンシルであるブラッド スミスとの連携のもとに、知的財産や技術政策の取り組みもリードする予定だという。

 ゲイツは、「ビジネス、テクノロジ双方での当社のリーダーシップは今までになく強力なものになりましたし、マイクロソフトが今後も成功の道を歩むことは間違いないでしょう。さらに非常に運の良いことに、マイクロソフトにはレイやクレイグのような優れたテクニカル リーダーがいます。2008年7月までは、いままで通りすべての時間をマイクロソフトでの職務に費やし、その間レイやクレイグとの密接な協業のもとにスムーズな職務の移行をはかっていく方針です」と述べている。

 さらに、「これは、私にとって厳しい決断でした。それでも極めて重要かつ大きな課題だと感じていた後継者問題については、情熱に溢れた2人の人物を得られたことは私にとって非常に幸運なことです。私は、近い将来一線を退くことになりますが、間違いなく、マイクロソフトにはさらに明るい未来への道が開けています」と述べている。

 2005年9月、マイクロソフト最高経営責任者であるスティーブ バルマーはマイクロソフト全体を3部門に再編成し、各部門をジム オールチン、ケビン ジョンソン、ロビー バックおよびジェフ レイクスといった部門プレジデント達に任せ、それぞれのビジネス分野の製品開発や戦略的な意志決定により大きな責任を持たせる体制を発足させた。また、2005年6月には、ケビン ターナーを最高執行責任者に任命している。

 バルマーは「ビルと私は、ビルが一線を離れた後もマイクロソフトの技術革新をたゆまず推進していけるすばらしいチームを持てたと確信しています。当社は今後とも、世界最高レベルの才能をもった技術者を採用し、最高の成果を生み出せるようなツールを彼らに提供し、長期的な投資を継続しながら、お客さまにとっての最大級の課題解決とビジネスチャンスの拡大に挑戦していく方針です」と述べている。

 バルマーとゲイツは、マイクロソフトがこの数年、経営陣の強化を着実に進めてきたこと、そして本日の発表は現在も進行中であるそうしたプロセスの一環として行われたものであることに言及した。2000年1月には、ゲイツがチーフ ソフトウェア アーキテクトの職位に就き、バルマーは、マイクロソフトの経営とビジネス戦略に全責任を持つCEOの職に就任した。

 マイクロソフトの役員であり、元Harvard Business SchoolでJames E.Robison Professorの職にあったジェームズ I キャッシュ博士は、「今回の決断は極めて賢明かつ周到な準備のもとに実行されます。2年の移行期間を設けることで、ビルの持つ戦略や知識を次世代のリーダー達にスムーズに引き渡すことができます。スティーブと彼の経営陣は非常に優れた判断をしました。これで私は、マイクロソフトが道を間違えることはないと確信しました」と述べている。

 オジー(50)は、1980年代のはじめに世界初の表計算ソフトウェアであるVisiCalcの開発にあたった後、1983年にLotus Development Corp.に移り、ワード プロセッサ、表計算、ビジネス グラフィクス、データ管理、そしてコミュニケーション機能などを含むMS-DOS(R)ベースの統合ソフトウェア管理製品であるLotus Symphonyの開発を行った。1984年には、Iris Associates Inc.を創設し、Lotus Notesの開発を推進した。さらに1997年には、Groove Networksを設立してGroove Virtual Officeの開発を進めた。2005年4月にマイクロソフトがGroove Networksを買収したことで、オジーはマイクロソフトの最高技術責任者の職に就いた。

 マンディ(56)は、1992年にマイクロソフトに入社した後、Microsoft(R) Windows(R) CEオペレーティング システム、ハンドヘルドPC用ソフトウェア、ポケットPCや車載用PCといった非PC系プラットフォームならびに初期の電話関連製品などを扱っていたConsumer Platform Divisionの責任者を務めた。マンディはまた、マイクロソフトにおけるディジタルTVの取り組みを開始し、WebTV Networks Inc.の買収と子会社化を指揮した。マンディは、マイクロソフトのソフトウェア開発戦略に影響をおよぼした、信頼できるコンピューティングの取り組みを指揮した最初の人物でもある。彼の現在の担当分野には、グローバルな技術政策の推進や、技術ビジネス双方の分野での新たな取り組みの育成などが含まれている。

 オジーとマンディは、引き続きゲイツに業務報告を行う。彼らのレポートラインは、2年の移行期間中適切な時期をみて、バルマーに切り替えられるという。

 ゲイツ(50)は、1975年に、幼友達であるポール アレンとともにマイクロソフトを創設した。1986年にマイクロソフトを公開企業とし、バルマーがCEO職を引き継ぐ2000年まで会長兼CEOの職にあった。これまでの6年間、ゲイツは会長兼チーフ ソフトウェア アーキテクトとしてマイクロソフトのソフトウェア開発に焦点を当てた活動を行ってきた。2000年には妻とともに、現在291億円の資産を保有するビル アンド メリンダ ゲイツ財団を創設した。

 マイクロソフトは、1975年の創設以来、ディジタル情報革命の道を切り開き、PC産業の勃興を促した数々の技術革新をソフトウェアの世界にもたらしてきた。マイクロソフト初のオペレーティング システムであるMD-DOSから始まり、Microsoft Office、Microsoft WindowsおよびXbox(R)といった製品へとつながる数々のソフトウェア、サービスおよびソリューションを開発、提供することで、人々の仕事、コミュニケーションおよび娯楽の方法に変革を与えてきた。現在マイクロソフトは、世界100以上の国々に総計63,000人の従業員を擁し、年間400億米ドルの売り上げを計上している。マイクロソフトソフトは今後とも、デスクトップPC、サーバーおよびモバイル デバイスなどを中心とする広範な製品やサービスの提供を通じて、人々とビジネスの能力を最大限に発揮させる世界のリーダーとして事業を運営していくという。

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