- 2006/06/12 掲載
2005年国内ハイパフォーマンスコンピューティング市場、NECが首位から転落
・2005年国内ハイパフォーマンスコンピューティング市場規模は、前年比5.6%増の569億8,100万円
・RISCサーバーのHPC専用モデルが好調
・2010年国内ハイパフォーマンスコンピューティング市場規模は418億円と予測
IDC Japanは、2005年の国内ハイパフォーマンスコンピューティング(以下、HPC)市場の動向を発表した。これによると、2005年の国内HPC市場規模は569億8,100万円で、前年比5.6%の増加だった。これは2年連続のプラス成長となる。しかし、2010年の国内HPC市場規模は、418億円に縮小すると予測している。
2005年の国内HPC市場を製品別に見ると、「スーパーコンピューター」が前年比で約4割減少したものの、「RISCサーバー」が同3割増加しスーパーコンピューターの減少分を補った。RISCサーバーは、HPC専用モデルが好調だった。一方、2004年まで急拡大していた「IA64サーバー」は成長が鈍化した。「x86サーバー」は単価下落の影響により、マイナス成長となった。
2005年の国内HPC市場は、大学や公的研究機関の大型案件に依存する傾向が強まり、その結果、ベンダー別出荷金額の1~3位を大学や公的研究機関向けビジネスに強い国産ベンダーが独占した。IDC Japan サーバー リサーチアナリスト 高藤 郁雄氏は、「国内HPC市場は、依然として大学および公的研究機関の需要に偏重している。ベンダーは、民間企業における新たな計算需要を喚起することでHPC市場の拡大を図るべきである」と警鐘を鳴らした。
ベンダー別出荷金額では、RISCサーバーのHPC専用モデルが好調だった日立製作所が初めて1位となった(下図)。2位は富士通、3位は2004年まで1位を維持していたNEC。

2010年の国内HPC市場規模は418億円になるとIDC Japanは予測している。2005年から2010年まで5年間の年間平均成長率はマイナス6.0%になる。x86サーバーとIA64サーバーは増加基調を維持しているが、スーパーコンピューターとRISCサーバーの減少を補えないという。
なお、「x86サーバー」は、現在一般に「IAサーバー」と呼ばれている、x86アーキテクチャのプロセッサーを採用しWindows、Linux系OSなどを搭載したサーバーであり、Itaniumプロセッサーを搭載した「IA64サーバー」やベンダー独自OSを搭載したサーバーなどは含まない。「RISCサーバー」は、IDC Japanが従来「UNIXサーバー」と定義していた製品分野であり、RISCプロセッサーを採用しつつ、主にUNIXを搭載したサーバーのこと。「スーパーコンピューター」は、科学技術計算用途で利用されるベクトル型コンピューター。
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